第38回モントリオール映画祭で、女優の吉永小百合(69)が企画、主演した映画『ふしぎな岬の物語』が、審査員特別賞グランプリを獲得した。

「着物姿の彼女は上映後、モントリオールの公用語であるフランス語でスピーチ。現地の観客や専門家も、彼女の品格と美しさに感激し、すっかりファンになっていました」(映画関係者)

この偉業を受け、日本の映画界は歓喜に沸いているが、公式上映に当たって吉永が発したコメントが現在、波紋を呼んでいる。

「もう少しで俳優としての道が終わって、なんらかの形で映画の世界にいさせてもらうことがあれば、プロデューサーではなくても、スタッフの一員としてやっていければと思います」

まるで"引退宣言"とも取れる内容だったのだ。

「年齢を考えれば、引退を意識し始めても不思議ではありませんが、本作でも劇中のキャッチボールのシーンのため、近所の公園で300球もの投げ込みを行ったほど、今も若々しく、元気いっぱい。それだけに、この引退宣言には、タモリをはじめとする日本中のサユリストから、"まさか……"と嘆く声が上がっています」(映画関係者)

実際、映画の現場からは、こんな声も聞こえてくる。

「やはり、肉体的に相当きついようなんです。普段の撮影でも、体をしっかり温めてからでないと、思うように動けないと、いつも、かなり余裕を持った時間に家を出るそうですからね」(映画会社関係者)

彼女は体力的な問題を数年前から抱えていたようで、以前から、自身の引き際を考えていた節もある。

「12年に公開された主演映画『北のカナリアたち』の舞台挨拶がそうです。大の野球好きで知られる彼女らしく、当時、引退直後の阪神・金本知憲を引き合いに出して"いつ引退するかを考えることもあります"と爆弾発言をしたんです」(スポーツ紙記者)

さらに最近、追い打ちをかけるように悲しい出来事が起きた。8月26日、『ふしぎな~』で共演した俳優の米倉斉加年が腹部大動脈瘤破裂のために他界。同作が遺作となったのだ。

「2人の共演は、80年公開の映画『動乱』以来でしたが、これは、吉永たっての希望で実現したもの。撮影時は当時の懐かしい思い出話に花が咲いたようで、改めて時の流れを感じたのではないでしょうか」(映画ライター)

永遠のアイドルの銀幕での姿が、これで見納めにならないことを祈るばかりだ。

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