これまで長らく200円台の激安価格競争を繰り広げて来た牛丼大手3社。そんななか、松屋は牛めしをプレミアム牛めしとして380円に値上げし、すき家は深夜時間帯の一人勤務体制の解消に取り組むと発表。各社ビジネスモデルの変更に動いています。

そして、吉野家では何と店舗の2階部分を居酒屋にした新事業、その名も「吉呑み」を始めたというから驚きです。

現在、吉呑みは東京都内に7店舗、その他に埼玉、愛知、大阪に各1店舗が営業中。さっそく記者2名が京王線調布駅前店に足を運んでみました。

午後6時、おなじみのオレンジの明かりが灯る店頭には赤提灯が吊るされて、いかにも飲み屋然とした雰囲気。階段を2階に上がると、そこにはカウンターの他にテーブル席も用意され、何組かの酔客が思い思いの酒を楽しんでいます。

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まずは生ビール(310円)と定番の牛皿(並・250円)、ハムポテト(250円)などを注文。周囲を見渡すと壁にはお品書きがズラリと並び、上部にはテレビ(!)も設置されており、「サッと食べてサッと出る」という既存の牛丼屋とは全く別物だというのが一目瞭然です。

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いざ飲み始めると、白米に合うように調理された牛皿の濃い味付けがビールに良くマッチして、自然と酒が進みます。これまでも吉野家で酒を飲んでいる中年男性の姿をまれに見かけたものの、どこか罪悪感があって真似しづらかった記者にとっては、堂々と酒が飲める吉呑みはありがたい限り。

まぐろ刺身(300円)やメンチカツ(350円)といったツマミを頼んでいるうちにテーブルの上は大変なことに。ですが、こんなに頼んでも会計は一人2000円足らず。軽めの一杯なら1000円でも十分に楽しめるリーズナブルな料金設定です。

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店内には既存の居酒屋よりも安く飲めると聞きつけて来た大学生グループ、仕事帰りのちょっとした休息を求めて来店したと思しきサラリーマン、中には女性客の姿などもあり、非常に活況でした。

赤字が続いていた店舗で吉呑みを始めたところ、夜間の売上が4割も向上したことから、吉野家は今後、立地条件などを考慮しながら全国で最大400店舗まで吉呑みを増やす方針なんだとか。確かに牛丼屋の二階って、あまり利用した記憶がありませんもんね。牛丼戦争から居酒屋戦争に舵を取った吉野家、今後の動向に注目です。

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