またアイドルのスキャンダルが報じられた。乃木坂46の松村沙友理が「熱烈路チュー」(週刊文春・10月16日号)だという。

相手は出版社勤務の妻子ある30代男性。出会いは仕事ではなく街中でのナンパだったと松村本人がラジオで明かした。東スポによればナンパの場所は「新宿の紀伊国屋書店のマンガコーナー」だという。

私は今回の事件を「新宿紀伊国屋襲撃事件」と呼びたい。

かつてタイガー・ジェット・シンが買い物中のアントニオ猪木を襲って血まみれにした「新宿伊勢丹襲撃事件」(1973年)があったが、今回の「新宿紀伊国屋襲撃事件」はファンにとってはそれに匹敵するほどの衝撃だろう。

あのときは「路上キス」ならぬ「路上シン」だった。猪木は警察に被害届を出さずに「リングで制裁を加える」と決意したことから、「襲撃はヤラセではないか?」と一部でささやかれた事件でもある。

真偽はともかく、シンは新宿伊勢丹襲撃事件で一気に知名度を上げたことは確かだ。松村沙友理も本当にナンパだったのかという真偽はともかく、今回を発奮材料とするしかない。

こういうスキャンダルが起きた場合、本人よりもファンの引き受け方が問われると思うのだ。

プロレスファンは「新宿伊勢丹」というキーワードに半信半疑ながらも、そのあとの抗争でビッグになってゆくシンに熱狂した。それなら乃木坂ファンも「新宿紀伊国屋」という言葉に臆することなく松村沙友理の成長を応援するしかない。シンも松村も新宿からステップアップとしたと後世語り継がれる存在になればいい。

プロレスファンもアイドルファンも「信じた人に裏切られた」「幻想が破られた」というそのときの振る舞いこそが問われると私は思う。それでも自分は信じていけるのか、応援できるのか。煩悶との戦い。

少なくとも、プロレスファンはなんだかんだ言いながら信じてきた。そのタフさをぜひ乃木坂ファンに教えてあげたい。

寂しいのはキミだけじゃない。みんな修羅場をくぐってきたのだ。

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