他人の携帯電話の通話やメールの送受信といった情報を、相手に気づかれることなく入手できるアプリ――まさにストーカー御用達ともいえる機能を持ったアプリを販売した会社のCEOがアメリカで逮捕された。

問題の「StealthGenie(こっそりと願いをかなえてくれる精霊)」というアプリを開発したのは、InvoCode社というアメリカの会社。おもにGPSを使った位置情報アプリの販売を手掛けており、そういったノウハウをベースにして今回のストーカーアプリを開発したものとみられる。このアプリはプロモーション用の動画まで制作されていて、いかに便利か(相手に気づかれることなく利用できるか)が説明されていた。

このストーカーアプリには次のような機能が備わっていたという。
・監視したい携帯電話のすべての音声通話を録音/リアルタイムで傍受
・監視したい携帯電話に電話をかけてアプリを起動、半径4m以内の全会話を傍受
・送受信されるすべての電子メール、SMSメッセージなどをいつでも確認可能
・アドレス帳、カレンダー、写真、動画などもいつでも確認可能

上記の機能を、携帯電話の持ち主に「気づかれることなく」実行できたのだ。ただし、目的の携帯電話にこのアプリをインストールする必要があるため、物理的に接触できない相手に対しては使うことはできなかった。

アメリカ司法省は「StealthGenieのようなアプリは、被害者の私生活のすべてを、相手に知られることなく詳細に知りたいと考えるストーカーや、家庭内暴力の加害者による使用を明確に意図してつくられている」という声明を発表した。

今回のアプリでいちばん問題なのは、「相手に気づかれることなく監視できる」という点。日本でも子ども向けのケータイにはこういった履歴をチェックできる機能が備わっているが、あくまで保護者の立場としてのもの。成人の個人情報を第三者が無断で手に入れるのはもちろん犯罪行為なので、ご注意を。

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