古いクルマに本来の価値以上の価格が付くことがあります。「プレミアム価格」などと言われるもので、有名なところだと、1967年発売のトヨタ・2000GTや68年発売のニッサン・スカイライン=通称ハコスカなどが知られています。

ハコスカは40年以上前のクルマにも関わらず、現在良コンディションのものは300万~400万円以上で流通しており、それを知らなければ「爺さんの乗ってたクルマが300万の値打ちだって?」なんて、親戚中が騒然と(?)なるわけです。

そんなプレミアム価格の恩恵に預かれるのは、何も日本だけではありません。日本よりはるかにモータリゼーションの進んだアメリカでは、スクラップにトンでもない値段が付く場合があります。

ミシガン州に住むある男性が出品した1963年製の古い車。

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「Izismile.com http://izismile.com/」より

これが、ネットオークション『ebay』上でトンでもない金額に高騰、話題になりました。クルマの名前はゼネラルモータース(GM)社製の「ポンティアック・テンペスト」というもの。クルマに初めて乗る人のための一台として大量に生産されたもので、日本でいうと、トヨタのビッツやニッサンのマーチなどがそれに当たるでしょうか。

知り合いから譲り受けたというこのクルマ、エンジンもなく車体はサビだらけ。ただ、この手の旧車マニアがいることを何となく知っていたオーナーは、出品価格を500ドル(約5万3000円)に設定しました。解体屋さんに持って行ってもらうだけでお金が掛かるシロモノ。5万円でも御の字です。

ところが出品してからすぐに値段が上がり始め、最終的にはナント22万6521ドル(約2420万円)で落札されたのです。

実はこのクルマ、当時14台しか製造されなかったテンペストのレース出場車、「スーパーデューティ・テンペスト・ルマン・クーペ」のなかでも、さらに希少な限定モデルだったのです。マニアたちが血眼になって探しまわっていた一品だったのですね。

スクラップが450倍の値段になるとは、お宝鑑定団もビックリのこの事件。あなたの実家の納屋で眠っているクルマも、もしかしたらトンでもない限定車かもしれませんよ?

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