奈良県明日香村の7世紀に作られた国史跡・名勝「飛鳥京跡苑池」で、「取ったら災いが起きる」という警告の文が刻まれた時が見つかった。
警告文は口径12.3センチ、高さ3.1センチの器の外側に漢文と万葉仮名交じりで「川原寺坏莫取若取事有者□□相而和豆良皮牟毛乃叙−−」(□は判読不能)と刻まれていた。「川原寺の坏(つき)であるから取るな。取ったら災いが起こる」という内容で、「和豆良皮」がワズライ(ワザワイ)と読むらしい。泥棒よけや寺の権威を示すために刻んだ可能性が高いとされている。
苑地は天皇の宮殿に付属する国内初の本格庭園で、外交使節をもてなした場所と考えられている。器に刻まれた川原寺は飛鳥川を挟んだ向かいにあり、寺の名前が書かれた土器が複数見つかっていることから、宮殿とつながりが深かったと見られている。
ちなみにこの土器は10月11日から奈良県立神原考古学研究所付属博物館(http://www.kashikoken.jp/museum/)で、11月30日まで展示されている。見ても災いは起きないので、ご安心を。

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