中東の過激派組織『イスラム国』に参加しようとした北海道大学の学生が、私戦予備・陰謀の容疑で、警視庁公安部の事情聴取を受けた。
「就職活動に失敗したこの学生は、イスラム国に人脈のある元大学教授に、"イスラム国はあなたを歓迎している"と渡航の手引きをされたようです」(全国紙記者)

現実から逃避したいあまり、一般企業に就職でもする程度の覚悟で過激派組織に参加する……そんな甘い考えの若者たちに、「イスラム国だけはやめろ」と力強く訴えるのが、高部正樹氏だ。
高部氏は、旧ソ連のアフガン侵攻時に反ソゲリラ組織『ムジャヒディン』に属した経験を持つ元傭兵(ようへい)。
「異教徒虐殺や強奪を行うイスラム国はテロ集団です。それに加担すれば、世界中からテロリストと認定されます。今後、海外旅行にも行けません。(今の若者は)そのデメリットをわかっていない。戦場に行った事実が欲しいだけ。鉄砲持って記念撮影したいんです」

イスラム国にとって、そんな若者たちは使い捨ての駒にすぎない。
「彼らの戦い方は、100人が前線に出たら80~90人は死ぬという人海戦術。頭数が欲しいんです」
こうした歩兵中心で正面突破する戦い方は、イスラム国兵士の特徴だという。
「聖戦(ジハード)で戦死した者は、天国でハーレムのような暮らしを送れると本気で信じているんです。だから死を怖がらず、無謀な突撃を行うんです」
そんな血みどろの戦場に、ズブの素人が放り込まれたら、どうなるのか。

「過去に私が所属していた部隊にも、初めて戦地に来た者がいましたが、彼は伏せていないと危険な状況にもかかわらず、いきなり立ち上がったんです。どうやら、恐怖のあまり夢遊病状態になっていたようです」
そんな状態では、命を落とさないほうが奇跡だ。

「顔つきや話しぶりで、戦場で通用するかしないかはすぐにわかりますよ。たとえば、人を殺せるかと問われ"そういう状況にやなったら殺ります"と答えるのはダメな素人の典型です。戦場に来るなら、そんな覚悟は当然ですから」
だが、覚悟のない者に限って、"生きて帰ってこられる"と確信しているという。
「素人ほど戦地に行った後の将来設計をしています。だからこそ、今後どちらの社会で生きていくのかよく考えろと言いたいですね。そのままイスラム社会で生きるならまだしも、日本に帰国するなら、イスラム国という選択肢はありえないでしょ?」

観光気分の参戦は、生きても死んでも地獄なのだ。

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