秋といえば、キノコを使った料理が美味しい季節だ。手軽に手に入る「シメジ」や「シイタケ」、「エリンギ」、高級食材として知られる「マツタケ」は秋ならでは。

そしてこの季節は、キノコ狩りに行く方も多いと思う。そんな時、気を付けてほしいのは毒キノコ。滋賀県では、「道の駅くつき新本陣」で、毒キノコの「ツキヨタケ」を「ヒラタケ」として販売されたというニュースが話題となった。

市内の住民が食用の「ヒラタケ」だと思い込んでキノコを採り、それを道の駅で購入した客から、腹痛と嘔吐の症状が出たことが判明。残っているキノコを調べたところ、すべて「ツキヨタケ」と分かったそうだ。

そんな現地の人でも見分けがつかないこともある「毒キノコ」について、今回は特別に元傭兵で危機管理コーディネーターのテレンス・リー氏に話を聞いた。まず、もし毒キノコを食用と勘違いして食べてしまった時の対処法を訊ねたところ、

「キノコの種類により、毒の強さ、作用も全く異なるため、一概には言えませんね。ツキヨタケのように軽傷で済む場合もあれば、神経毒といって、神経伝達が遮断され、呼吸困難になる場合や、臓器不全を起こす恐ろしい猛毒を持つキノコもあります」

そのような状況に陥ってしまった場合は、血清を打つしか対処法としてないようだ。

また、テレンス・リー氏といえば、気になる傭兵時代の話。戦場では、キノコも食料としていたのだろうか。

「先の滋賀県のニュースでもあるように、やはり現地の人間でも、食用とそうでないキノコの見極めは難しい。そのため、万が一あたってしまった時のことを考えると、戦場でキノコを口にするのは極めて危険で、食べることはまずしません」

さらに、キノコが生えているところは、山間部や湿地帯が多く、そのため虫も多く生存している。芋虫などは高タンパクで栄養価も高いので、虫を食料にすることもあり、戦場という厳しい環境下では、危険なうえに低カロリーのキノコを、食料としてあえて選択することはないそうだ。

キノコは美味しい食材だが、一歩間違えると命に関わるような、危険なキノコも存在する。見たこともないキノコに出会った場合は細心の注意を払い、安易に口にしないよう心がけたい。

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