10月18日、球団史上初となるクライマックスシリーズ優勝を果たし、9年ぶりの日本シリーズ進出を決めた阪神タイガース。
「ファーストステージの広島戦は1勝1分、ファイナルステージの巨人戦は4連勝と、CSを無敗で勝ち抜いた」(全国紙運動部記者)
阪神にとっては親の仇にも等しい宿敵・巨人に4タテを喰らわせたとあって、ファンも狂喜乱舞。"恒例"の道頓堀ダイブに興ずる虎キチも続出した。
大金星を遂げた和田豊監督には、一時の解任説もどこへやら、名将説まで飛び出し、その評価はストップ高だ。
「シーズン中は優柔不断な采配が目立った和田監督ですが、巨人戦では積極的な盗塁に代打攻勢と攻撃的な野球を展開。4試合で21得点を叩き出した采配は神がかっていました。守備面でも、シーズン中には見られなかった早めの継投策で、巨人の重量打線を封じ込めたのは見事でしたね」(野球専門誌記者)
ファーストステージの広島戦前、報道陣に対して「日々初戦という気持ちで挑む」と話していた和田監督。
いい意味での開き直りぶりに、「頼もしくなった」と、球団OBも、その成長ぶりに驚嘆している。
「広島戦でクローザーの呉昇桓に3回を投げさせたけど、開き直った采配で結果が出せたのは大きい。来シーズンの戦術にも幅が出るんやないか。今年は日本一も夢やないな」(球団OB)

03年以来、悲願の日本一奪取に向けて期待も高まるばかりだが、素直に喜べないトラ党も多いという。
「CS中は連日お祭り騒ぎやったけど、僕らの夢が一つ消えましたわ」ため息を洩らすのは、前世から虎キチだと豪語する大阪在住のサラリーマンだ。
「今年は掛布が阪神のスタッフにおったし、来年は球団創設80周年の節目の年やから監督は絶対に掛布やと期待してました。甲子園のグッズ売り場にも、去年までなかった掛布のユニフォームが売っとったし」(前同)
トラ党の複雑な思いを踏みにじるトップ人事には、阪神特有の体質がある。
「興行収入8億円とも言われるCSファーストステージを甲子園に持ってきた和田を代えるわけにはいかんやろ。まあ、打算的な商人気質の阪神らしい人事や」(在阪スポーツ紙記者)

また、チームの顔となる監督は球団首脳の思惑どおりに動く人材が重宝される。
「野村と星野、岡田が監督やったときはチームも強くて人気も高かったんやけど、この3人は個性的でアクも強く扱いにくい監督やった。ミスタータイガースと呼ばれ、絶大な人気を誇る掛布にもこうしたきらいがある。和田はその半面、上の言うことを聞くから、坂井信也オーナーをはじめとした球団首脳に都合のええ人材ということやな」(前同)
"お家の事情"での留任が囁かれ、人気もイマイチ。シーズン中の残像か、ファンからは「まだ采配に全幅の信頼は……」という声も。
かくなる上は日本一になって納得させるしかない!?

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