食品に使われる添加物には、アッと驚く原料から作られているものがあります。たとえば、赤い着色料の「コチニール」。化粧品や清涼飲料水、かまぼこなどに広く使われているこの色素は、虫から作られます。
虫の名前は、サボテンに寄生するカイガラムシ。その死骸を集めて熱湯で溶かし、色素を抽出します。数年前、大手コーヒーチェーンのスターバックスが、「コチニールの使用を段階的に取りやめる」と発表して話題になった着色料です。
また、抹茶色のアイスや菓子に使われることがあるのが「銅(どう)葉緑素」。この着色料は、なんとカイコの糞(ふん)を原料にしています。
桑の葉だけを食べるカイコの糞は良質な葉緑素の塊。毒素はなく、「蚕沙(さんしゃ)」の名で漢方薬にも使われているそうですが、糞が原料だと聞くと、あまり食べる気にはなれません。

糞からは色素だけでなく、香りを取り出すことも可能です。2007年度のイグ・ノーベル化学賞は、動物の糞からバニラの香料を作りだした日本人研究者に与えられました。この方法だと、本物のバニラ豆を使う場合より大幅にコストを削減できるそうですから、そのうちに糞入りアイスクリームが売られるようになるかも。
さて、研究者は何の糞からバニラの香りを抽出した?

(1)ウシ
(2)ブタ
(3)イヌ


答え :(1)

出題:浜川卓也

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