国の重要文化財に指定されているトイレがあります。京都東山区の「東福寺東司(とうす)」。日本に現存する最古のトイレ建築で、およそ600年前の室町時代に作られたものです。
この建物は間口10.5メートル、奥行き27メートルで総面積は280平方メートル(約85坪)。建物全体が巨大なトイレになっています。内部は中央に通路があり、両側にズラリと便壺が並ぶ造り。壁や仕切りは一切なし。つまり、モロ出しの下半身を人目にさらしながら排便するシステムです。
なんとも落ち着かず、出るものも出なくなってしまいそうですが、ここは生活のすべてを修行と考える禅宗の寺。何事にも動じない精神力を身につけるために、わざとそうしたのかもしれません。

当時のトイレは、いわゆるボットン便所です。建物の中は鼻が曲がるような強烈な匂いが充満していたことでしょう。
しかし昔にも、匂いの少ない快適なトイレで用を足す人はいたようです。たとえば、ある有名な戦国武将は水洗トイレを使っていたと伝えられています。
そのトイレは畳敷きで広さは6畳。便座の下に風呂の水を流す仕掛けを作り、排便が終わると部下が水を放出。汚物を押し流していたそうです。この清潔好きの武将とは誰?

(1)上杉謙信
(2)武田信玄
(3)織田信長


答え :(2)

出題:浜川卓也

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