思わず「中世か!」と突っ込みたくなるような内容に、世界中の人権団体から非難が集まっている。標的は、インドネシアの国家警察。なんと採用試験の際、女性の受験者に対して「未婚であること」「処女であること」を条件にしているのだ!

国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)によると、インドネシア国家警察では、処女検査が平然と行われているとのこと。同団体は、時代遅れで信頼性がなく、国際条約で定められている平等や差別、プライバシーを侵害するものだと、この検査の撤廃を要求している。
 
気になる検査方法だが、HRWの聞き取り調査では、「健康診断時に女性の試験管の前で服を脱ぐように指示され、膣に指2本を入れられた」というから、さらに驚きだ。これは、どう見ても屈辱的な行為にしか見えない。

なお、HRWの抗議に対してインドネシア国家警察の広報担当者は「性感染症のキャリアを調べるためで、男女問わずそうした血液検査を実施している」とレスポンス。女性受験者が処女でなくても失格要件にならないと反論しているが、HRWが調べたところ、警察のウェブサイトには「性交未経験が女性受験者の資格」と記されていたというから、なんとも2枚舌の回答ととられても仕方がない。

ちなみに、女性職員が検査の撤廃を要求したところ、ある幹部から「売春婦を警察内に入れるのか?」とキレられたというから、もう「ポカーン」である。そもそも目的は性感染症の検査だ。男女を問わずに検査をしているといっても、男性は血液検査のみであり、女性はセクハラにもなる身体検査を行っている。もはやナンセンスとしかいいようがない。
インドネシア国家警察では「受験者の間でも一定の評価と理解を得ている」と正当性を主張するが、受験者である彼ら・彼女らがみずからを不利にするようなコメントをするはずがない。これに比べると、日本の圧迫面接が可愛く思えるほどだ。

さて、そんなインドネシア国家警察だが、40万人のうち女性警察官は3%程度。今後は増やしていく方針というが、果たしてその目論見は成功するのだろうか。

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