おじさんのオアシスが消える!? 新橋駅前の再開発が始動の画像
おじさんのオアシスが消える!? 新橋駅前の再開発が始動の画像

東京・新橋といえばサラリーマンの街として、ニュースの街頭インタビューなどで、必ずといっていいほど出てくるおなじみの街だ。皇居の真南に位置する新橋駅は現在、山手線の駅のひとつだが、古くは明治5年、日本初の鉄道が正式開業する際の起点として開設された(終点は横浜)、由緒ある駅なのだ。

140年以上人の往来の絶えなかった歴史ある駅らしく、駅の西側・烏森口を出ると、あらゆる形態の飲み屋や飲食店、激安風俗店などが路地にひしめき合っている。昭和の雰囲気を残した「横丁」の集合体ともいえる新橋駅周辺は、まさに生活を背負った「オッサン」たちのパラダイスなのだ。

そんなパラダイスに今年11月、ついに再開発の波が押し寄せてきた。

蒸気機関車がある有名なSL広場や、戦後の闇市をルーツに持つニュー新橋ビルを含む西側一帯、約1万平方メートルの大型再開発計画が動き出したのだ。計画ではこの場所に、30階建て高層ビルが2棟立つ予定で、2024年開業を目指すのだとか。再開発の対象は新橋駅西側の駅前から、新橋柳通商店会を含む一帯になるという。写真のような、猥雑な雰囲気の路地は一掃されてしまうということだ。

2020年の東京オリンピックを控え、急ピッチで開発の進む東京。新しいビルを建てるのもいいが、山手線各駅が本来持っていた駅ごとの「雰囲気」、昭和の古い街並が持つ情緒がなくなってしまうのは本当に惜しい限りである。

お江戸日本橋の真上に首都高速を作ってしまった、昭和のオリンピックの狂騒から、今学べることはあるはずなのだが…。

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