日々の暮らしにおいて隣人間のトラブルは尽きないもの。小さいところでは、用水路の掃除をウチがやるか隣がやるかに始まり、大きなところでは国同士の領土問題などありますが、このところ、国内の近隣自治体同士での揉めごとが相次いでいます。

広大な湖、琵琶湖を持つ近江・滋賀県と、北陸・加賀百万石の石川県の間で、最近トラブルが発生しました。トラブルの原因になったのは、なんとミミズ。今年7月に滋賀県甲賀市で、92センチもの長さのハッタミミズが発見されたのですが、ハッタミミズは国内最大のミミズとされており、1930年に石川県金沢市八田町で新種認定され、それが名前の由来にもなっています。

ところが昨年から、琵琶湖博物館が石川県に断りなく、滋賀県内でハッタミミズの長さを競う「湖国ハッタミミズ・ダービー」を開催。これにより、ハッタミミズの最長記録は滋賀県のものとなったのです。

これに待ったをかけたのが、石川県のNPO法人・河北潟湖沼研究所の高橋理事長。理事長は「本家は紛れもなく石川県。探せば石川にもっと長いミミズがいるはず」と、河北潟でなんと「琵琶湖に負けるなハッタミミズ本家の意地を見せるぞコンテスト」という長いネーミングのコンテストを開催。琵琶湖博物館に挑戦状を叩き付けるなど盛んな意気をあげています。

このミミズ騒動は大きく県同士の争いでしたが、さらに狭い地域での揉めごともあります。九州・福岡県の飯塚市では、川島地区と幸袋地区をまたがる遠賀川に架かる橋の名称が、1年以上も決まらない事態が続いています。

2016年の完成を間近に控えて、幸袋住民が昨年8月に「そろそろ橋の名称を決めよう」と求めたものの、県からは「川島大橋に決定している」との回答が。これは2008年に当時の県事業所の担当課長が独断で決めたものだそうで、住民説明会なども開かれていなかったそうです。これに気分を害した住民間では抗議活動が行なわれ、今もなお名称は未定のままとなっています。開通までに橋の名前が決まるのかも危うい状況の中、果たして事態はどうなることでしょう。

また、変わったところでは、静岡県浜松市と長野県飯田市では、その「国境」(くにさかい)を巡って、毎年10月に合戦が行なわれているんだそうです。両県の境となる兵越峠にいにしえから存在する「国境」を賭けた争いなのですが、その勝敗を決めるのはなんと『綱引き』!

この「峠の国盗り綱引き合戦」、元々は1987年に地元商工会の発案によって始まったイベントで、2つの地域が交流する意味を込めて30年近くも続けられているもの。もちろん実際に県境が変更になるわけではありませんが、各陣営共に綱を引くときは真剣そのもの。ちなみに合戦では豊橋市が行司を務め、今年は浜松市が勝利して領地を1メートル拡大したんですって。

どうせお隣同士、こんな和やかな形で交流を深めたいものですね。

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