データ予想 須田鷹雄
阪神替わりで距離短縮組狙い


今年から舞台を阪神に移す朝日杯FS。中山時代とどのような違いが出るか、気になるところだ。
まず思いつくのが、関西馬が優勢になることである。若い2歳馬にとって、輸送はあるよりないにこしたことはない。ただでさえ西高東低時代で関西に良い素材が入っているのに、輸送のハンデが逆に課せられることを考えると関東馬には厳しい話になる。
個人的に関心を持っているのは、どのような距離を使われていた馬が好走するかだ。
2009年以降の中山芝マイル戦(クラスを問わず)に出走した2歳馬について前走距離別成績を見ると、前走もマイル戦だったという馬の勝率が約10%。それに対して前走1800メートル戦組の勝率はその約半分しかない。さらに1800メートルから距離短縮で臨んだ馬を均等買いした場合の回収率は、単15%・複45%。これはかなり低い数値だ。

ところが、同じことを阪神芝1600メートルについて行うと、前走1800メートル組の勝率や複勝率は前走マイル組より高く、しかも穴をあける馬もいるので回収率も高い。単135%・複95%という水準だ。

この傾向がそのまま朝日杯に反映されるとすると、「関西の距離短縮組」が強くなる一方で「関東の距離延長組」は不利になることが予想される。
ただ、今年は登録馬に「距離短縮で前走勝ちの関西馬」がいない。よって、距離短縮の関東馬か、前走もマイルの関西馬からの選択になる。

◎は前者から、札幌2歳S勝ちのブライトエンブレム。ネオユニヴァース産駒にとって距離短縮は、むしろ折り合いをつけやすいという点ではプラスだし、この馬の場合は札幌以上に阪神外回りのほうが差しが届きやすいという面もあるだろう。母がブラックエンブレムという血統のポテンシャルもやはり魅力だ。
○は血統から人気になるだろうが、アッシュゴールド。前走は手ごろな頭数で流れが落ち着く一方、自身は慎重に構えすぎて1着までは届かなかった。
兄オルフェーヴルにしても、良くなったのは3歳時以降。そう考えるとこの血統はいきなりというよりは、尻上がり式に期待できる面があり、前走より今回のほうが良いという理屈にもなる。
▲以下は最終的な出否の見極めが難しいが、先述した条件に合う馬を優先し、タガノエスプレッソ、クラリティスカイなど。


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