新年といえば年賀状。最近はメールですませるケースも増えているが、これも日本の風物詩。年始の挨拶は年賀状で、と考える人は少なくない。
ただし、そこで知っておきたいのが、年賀状のマナー。気付かずに間違っているということもあるようだ。取引先や上司に出す場合、そんな些細なミスが自身の評価につながることも……。
プライベートだって、親しき中に礼儀あり。せっかく出すのだから、きちんとマナーにのっとって書きたいものだ。
そこで、ここでは「いまさら聞けない、年賀状のマナー」について解説しよう。

●おもて面
基本的には、ハガキの裏面が横書きなら表面も横書きというように、統一させること。ただし、ビジネス関係なら縦書きのほうがオフィシャル感を持たせることができる。ポイントは以下の通りだ。

おもて

1:住所
郵便番号枠の下二桁と三桁の間を目安に、上から2文字分くらい空けて書き出す。住所は省略しないで、都道府県名から記すこと。縦書きの場合は漢数字、横書きならアラビア数字を使う。

2:氏名
郵便番号枠の最初の二桁と三桁の間に合わせる。住所より大きめの字で、文字の間は1文字くらいのスペースを空ける。

3:差出人:差出人の住所と氏名は表面・裏面のどちらでもいいが、下にある郵便番号の枠の横幅に収まるように書くこと。

基本的なルールは上の通り。なお、私製ハガキを使う場合は切手の下の部分に朱色で「年賀」と記入すること。切手も年賀用だと、なおよし。

また、宛名につける敬称にも注意が必要したい。一般的なマナーは次のようになる。

◯◯様=誰にでも使用できる

◯◯殿=目下の人向け

◯◯御中=会社など組織向け

◯◯先生=恩師、医師、弁護士など

なお、取引先の個人に送る場合は、「○○株式会社御中 △△様」とはせず、「○○株式会社 △△様」と明記。御中は省いて構わない。

●裏面
年賀状の裏面は、「賀詞(新年を祝う言葉)」と「お礼や挨拶」、さらには「相手への言葉」「締めの言葉」といった内容で構成する。そこでも、いくつかルールがあるので紹介しよう。

1:賀詞
「あけましておめでとうございます」など、新年の祝う言葉を書くが、これも相手によって言葉を選ばないといけない。

あけましておめでとうございます=誰に使ってもいい

謹賀新年、賀正、迎春、寿など=目下の人向け

HAPPY NEW YEAR=友人向け

さらにここでは、意味の重複にも気をつけること。「新年あけましておめでとうございます」だと、「新年」と「あけまして」の意味がかさなるので、新年はいらない。また「元旦」は1月1日を意味するので、「1月1日 元旦」もNG。「○○年 元旦」でいい。
 
2:お礼や挨拶、相手への言葉、締めの言葉
「旧年中はお世話になりました」「皆さまのご健康とご多幸をお祈り申し上げます」「本年もどうぞよろしくお願い申し上げます」というのが、基本的な流れ。
ここで注意するのは、言葉選び。「別れる」「失う」など、ネガティブな単語は避けること。なお、「去年」の「去」には別れの意味があるので「旧年」「昨年」を使うようにしよう。
また意外に思うだろうが、句読点は使わないほうがいい。というのも、「、」や「。」は、文字がうまく読めない人向けに使われ始めたという由来があるようで、目上の人など、敬意を払った文章だと厳密に使わないからだ。文章が長くなるなら、改行やスペースで読みやすく配慮しよう。ただし、親しい間柄なら気にしなくてもOKだ。

なお、裏面に差出人について明記する場合は、郵便番号も必ず書くこと。
うら


以上が、基本的な年賀状のマナー。せっかく新年の挨拶なのだから、出す側も受け取る側も、気持ちよくなりたいもの。こういった点をしっかり押さえるのが気遣いであり、おもてなしの心というもの。ぜひ、実践していただきたい。

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