ノロウイルスを始めとする感染性胃腸炎が、全国的に流行期へ入った。各地で集団発生が相次いでおり、患者が増加傾向の自治体では警戒を呼びかけている。

北海道の小学校では、11月16日から12月7日までの間に計66人に嘔吐や下痢、腹痛、発熱などの症状が見られ、そのうち32人が医療機関を受診。5人の便を検査したところ、4人からノロウイルスを検出した。
また山形県の居酒屋チェーン店でも、食事をした男女が嘔吐や下痢を訴え、保健所の調査でノロウイルスによる食中毒と断定された。患者らが居酒屋店を利用したのは11月29日~12月6日で、山形市や酒田市など12市町の20~60代に広がった。患者数は24人から80人に拡大したが、全員が快方に向かっているという。共通する食事はサラダや刺身、もつ鍋などだ。

感染性胃腸炎の原因となるウイルスには、ノロウイルス、ロタウイルス、サポウイルス、アデノウイルスなどがあり、主な症状は腹痛、下痢、嘔吐、発熱である。中でもノロウイルスは感染力が強く、患者の便だけでなく、嘔吐物にも排出される。
ノロウイルスの感染経路としてよく知られているのが、ノロウイルスに汚染されたカキ、ハマグリ、ムール貝などの二枚貝。いわゆる食中毒だが、原因食品が特定されない場合も多い。

冬の食事は、とりわけ生食には注意が必要だ。調理の際は、中心部まで十分に加熱処理し、二枚貝などノロウイルス汚染の恐れのある食品は、85~90度で90秒以上を目安によく熱を通したい。「身が固くなるから」といって、半生で食べてしまわないよう気をつけたい。
また、感染者が触ったトイレや手すり、ドアノブからの二次感染も十分あり得るので、手洗いはこまめに、できれば「2度洗い」を心がけよう。

感染すれば「上から下から」が長くて3日は続くノロウイルス。繰り返し発症・感染し「な~にかえって免疫がつく」とはいかないのが恐ろしいところだ。とにかく予防せよ!

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