朝晩の通勤電車、文庫本もモバイルも開けないほど満員の車内、見上げればそこにあるのは中吊り広告。このお馴染みの中吊り広告が消えようとしている。

2015年秋から導入される予定のJR東日本山手線の新車両は、乗車スペースを広くとり、窓が大きく「オープンなデザイン」となる。これをめどに従来の中吊り広告は廃止され、運行情報や企業広告の表示は、液晶ディスプレイを現行のものより拡大することで対応。ディスプレイそのものも数も増やす予定だそうだ。
これらは、きたる2020年の東京オリンピックと高齢化社会を見越した施策で、今後、首都圏を中心とした路線にも導入が予定されている。

確かに広告としての速報性や見やすさはディスプレイのほうが勝っているのかもしれないが、女性誌から情報誌、ビジネス誌、『週刊大衆』をはじめとしたオジサンの娯楽である週刊誌の中吊りは、ぼんやり眺めているだけでも楽しかったという人も少なくはないようだ。

またひとつ、昭和の風景が消えてゆく。

いままで当たり前にあったものが消えてしまうことに一抹の寂しさを感じてしまうのは、オジサン世代だけなのだろうか。

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