好調狙い馬予想 薮中泰人
逃げ強力アンバルブライベン


今週は京都でシルクロードS、東京で根岸Sの重賞が組まれている。

まず、京都のシルクロードS。推奨馬を取り上げる前に、京都6F戦の特殊な傾向を指摘しておきたい。それはスプリント戦なのに前半ペースが、意外にも速くならないレースが多いということ。

昨年行われたオープン級の4鞍を振り返ってみよう。
前後半の3F比較をみると3鞍までが後傾ラップ、前半が遅くて上がりの速い競馬になっている。
昨年のシルクロードSの前後半が34秒1-33秒3、その前哨戦の淀短距離Sが33秒8-33秒6、秋の京阪杯が34秒7-33秒6だ。当然、レースも先行有利。ハナに立った馬がすべて連対している。

例外は10月のオパールSで32秒6-34秒1の前傾ラップ。これだけ前半が速いと差しタイプがやはり浮上。
掲示板を独占した。

さて、今年はどんな流れになるのか。ペース判断の読みが馬券を解く最大のポイントになるが、前哨戦の淀短距離Sは昨年並み、34秒9-33秒6のスロー競馬だった。レースも2番手からエイシンブルズアイが抜け出し、逃げたアンバルブライベンが連対を死守している。

新たに強力な逃げ馬の参加がない今年、ペースも昨年並みになるか。馬券の軸は逃げるアンバルブライベンでいいだろう。3走前の福島でオープンの壁を破ると、続く京阪杯で重賞勝ち。前走の淀短距離Sで3連勝はならなかったが、外の7枠13番スタートで前半、ペースには表れないロスがあった。

中枠より内の枠を引けば、本来のロケットダッシュが見られるはず。変なテンションの上がりもなく、体調面もキープできている。
淀短距離Sを勝ったエイシンブルズアイは阪急杯との両睨みだが、ここに使ってくれば当然、有力。もし想定した以上に前半ペースが上がる展開なら馬券の押さえは差し馬。完全に好調ゾーンに入っているサドンストームが特注馬だ。

同じ日曜日に行われる根岸Sの話題はロゴタイプの出走だ。ダートへの路線変更がどう出るかだが、よほど揉まれる展開にならなければ、走法から問題ないとみる。

関西馬ではワイドバッハが最有力だ。前3走の上がり3Fは35秒5、35秒7、35秒4とすべて最速。決め手の鋭さは2走前の武蔵野Sが証明する。4角殿から直線一気で決めた。舞台は当時と同じ、得意にする東京ダート。レース2週前時点で3本の坂路時計をマークし、態勢も整っている。


(日刊ゲンダイ大阪記者)

本日の新着記事を読む