好調狙い馬予想 薮中泰人
2強対決はキズナの馬体が上


昨春の天皇賞で骨折、休養していたキズナがいよいよ復帰する。京都記念のお楽しみはもう一つある。ここを始動戦に選択しているハープスターだ。
頭数は少なくなりそうだが、凱旋門賞にも挑戦した2頭の対決には興味津々。仕上げも順調に進んでいる。

まずキズナは初時計が昨年暮れの17日。21日、24日、31日と坂路での乗り込みが進み、年明けも5日、8日、12日と1週ごとに負荷を強め、15日の坂路では54秒8-12秒7の時計。
翌週の21日にはCWでコース追い。7F98秒2-3F37秒8-11秒9の速い時計をマークした。28日の2週前追い切りには武豊が騎乗。7Fから行きだし97秒7、6Fからは80秒4、3Fは37秒5-11秒9で動き「息遣いがいいし、今週が競馬でもいいくらい」と主戦ジョッキーを喜ばせた。

管理する佐々木晶師も、「馬体がまた成長している。いい形で復帰戦を迎えられる」と話したが、実際、昨年よりひと回り大きく見せ、黒光りする馬体はたくましさ満点。相当なパワーアップが見てとれる。レース2週前時点でこの仕上がり。いわゆる病み上がりのイメージがまったくない。

ハープスターも仕上げが進んでいる。昨秋のJC時は仏遠征の疲れがあったのか、動きに浮ついた感じがあったが、1月17日の初時計のあと、21日、24日、28日とCWの追い切りが進むとバランスのいい走りが蘇ってきた。これが本来の姿。強いハープスターが見られそうだ。馬体の迫力からキズナを上にとるが、いずれにしてもレースは一騎打ち。たまには強い馬の本命戦があってもいいだろう。

同じ日曜日には東京で共同通信杯が行われる。関西期待ならまずダノンメジャー。暮れのホープフルSは直線で弾けず9着に終わったが、初コースの中山に戸惑いがあったか。これが実力では決してない。今回の鞍上は横山典。

昨年のワンアンドオンリーがそうだったように、ここぞの場面で橋口師が頼りにするジョッキー。広い東京で今度は弾けそうだ。

リアルスティールにも大きな期待をかけたい。暮れの阪神でデビュー勝ちしたばかりだが、バネのきいた走りはディープ産駒の一級品。騎乗した福永も「抜けだす脚が速い。モノが違う」と絶賛した大器だ。重賞メンバーでも好勝負が可能。

東京では土曜日にも3歳の牝馬重賞、クイーンCが行われる。巻き返しの期待はロカだ。暮れの阪神JFは出遅れがすべて。スケールの大きな走りは東京コースでこそ生きる。


(日刊ゲンダイ大阪記者)

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