美和 今年になって最初の回です。日刊大衆読者の皆さま、今年もよろしくお願い申し上げます!

vol.29-1

宗男 ほぅ、そうだったかね? 昨年末の総選挙とかでバタバタしてたからちょっと間が空いたんだね。

美和 総選挙直前のこの対談で、宗男先生が「貴子は絶対議席を守る!」と宣言されていましたが、その通りになりましたね。

宗男 私も負けていられません!バリバリいきますよぉ~!!

美和 では今年最初のご相談です。

~会社員 43歳 男性の方からのご相談~
宗男先生、こんにちは。毎日寒いですねぇ。ところで、我が家には今年大学受験の子供がいて、毎日ピリピリした状況です。妻は子供の世話で手一杯だと言い、私が仕事で遅く帰った時などにはろくに食事の支度もしてくれず、作り置きをチンして出してきます。また、家でくつろいでいる時に好きなテレビ番組を観ていると、子供の勉強の邪魔になると言って見せてもくれません。これで志望校に受かればいいですが、万が一落ちて浪人生にでもなったら、あと1年これが続くのかと思うと憂鬱です。

宗男 このお母さんみたいな姿勢が今の日本を象徴しているし、良くないと思うんです。

美和 お母さんの姿勢?

宗男 ダメですね! お父さんが働いているから子供も勉強できるんですから、帰ってきたらしっかりお父さんの食事を準備する。お父さんが好きなテレビ観ていたらそれは優先。他の番組は、お父さんがいない時に観れば良いのですから。

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美和 「少子化」ということで子供を過保護にし過ぎ。大事にし過ぎる……と。

宗男 少子化にしても親の責任ですから。国が「子供手当を出すから子供産みなさい」と言っても出来るものではない。神様からの授かりものなんです。“毎晩作る行為”みたいなコトはしているクセにね!(怒)。

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美和 毎晩しているかどうかは、ちょっと(笑)。

宗男 学歴至上主義という一方的な考えも止めたほうが良いと思います。もっと大らかに自分の子供の特性を活かすやり方があると思います。

美和 「万が一浪人なったら憂鬱です」と書いてあるのですが、浪人になったら完璧に家族崩壊みたいになってしまうのでは……?

宗男 旦那さんも、ちょっと気が弱いのかな?言う事は言わないといけない!

美和 宗男先生たちの時代は子供部屋とか少なかったでしょうし、親が子供に気を使って勉強のスペースを作るなんてないですよね?

宗男 私の子供の頃で思い出すのは、ランプ生活だったので親が寝たあと勉強するわけですよ。

美和 ランプ生活ですか!!

宗男 自分の部屋なんてないから、親が寝てから本を読んだりするわけですよ。

美和 宗男先生 ご兄弟は?

宗男 3人兄弟です。親は早く寝ろというんですよ。ランプの油代がもったいないから。学校でしっかり勉強すれば良いというのが親の考え。今となって思えば、親が“イイコト”をしようと思っても、子供が起きていてはできないから、早く寝ろと言ってたのかも知れませんが(笑)。

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美和 そうかもですね(苦笑)。

宗男 私はこの相談者の方に言いたい。きちっと自分の“分(ぶん)”をわきまえなさい。子供も奥さんも。これがいちばんです。

美和 こういうことを言うと必ず、妻と子は言いますよね?「○○ちゃん家は静かな環境で勉強させてくれる」とか。

宗男 だから人と比べることが間違えている。鈴木家は鈴木家、佐野家は佐野家の生き方。と割切れば良いのですよ。

美和 その割切りが中々出来ないものなんですよ。

宗男 相談者の方43歳? こんな萎縮していてはダメですよ!

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美和 宗男先生の世代は、“マイホームパパ”はあまりいなかったですよね。

宗男 ウチは教育も躾も全て女房まかせでした。女房がしっかりしていたので助かりました。私が口を出すことは無かった。それでも2人の男の子と1人の女の子も育っているのですから。

美和 宗男先生は“育メン”とかじゃないですね。

宗男 イクメン?て何??

編集者 積極的に育児とかをするパパの事ですかね。

宗男 なに!? それを「イクメン」と言うのか? どんな字か??

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編集者 育てるの“育”に、メンズの“メン”です。今までは育児を奥さん任せにする人が多かったのですが、近頃は幼稚園にお迎えに行くだとか、子供をお風呂に入れたり育児にも積極的に参加するという。まあいい事だと思いますが……。

宗男 この“夫婦共働き”になってから、家庭崩壊など、日本の社会が変わってきたんだと思いますよ。大人の欲望を満たすために「車が欲しい」「マイホームだ」「海外旅行だ」その為には子供は1人でよいのだ、とか。全部が全部とは言わないが、一部にはそういった考えがあるんだと思います。私の子供時代は「貧乏人の子沢山」という言葉があった。貧乏だからすることが無いので子供が出来たのかもしれないが、10人兄弟とか7人兄弟とかね。「一姫二太郎」という言葉もある。私はそれにあやかって3人子供を作ろうと思った。

美和 国としても、国民にそういう考えをもってもらいたいくらいですよね?

宗男 いずれにせよ、お父さんしっかりしなさい!「自分が働いているからお前達が安心して暮らしていけるんだ」という気概を持って!!

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美和 ご相談者の方はテレビも堂々と見ればいい。奥さまやお子さんは、家族を養っているお父さんを敬うという気持ちが重要だということですね。今回は、子供の受験の話から話が膨らみ、女性の生き方、家族のあり方に発展する壮大なスケールのお悩み解決となりました。

宗男・美和 一件落着! 困った時は「ムネオ先生に訊け!」

キメ

鈴木 宗男(すずき むねお)プロフィール
1948年1月31日生まれ
政治家。北海道出身。拓殖大学政経学部在学中より、故・中川一郎元衆議院議員の秘書を務める。1983年に自由民主党より出馬し、衆議院議員に初当選。防衛政務次官、外務政務次官などを務める。
また1997年には国務大臣として北海道開発庁長官、沖縄開発庁長官を歴任。2002年に自民党を離党。
2005年には新党大地を結成。代表となり、その年衆議院議員に返り咲く。防衛・外交の論客として鳴らす一方、その人情味溢れ、愛されるキャラクターは、歌手の松山千春をはじめとしてシンパが多数。ムネオの愛称でも知られる。
娘は衆議院議員の鈴木貴子。

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