いま「外来種」が世界中で問題となっている。外来種とは、本来いた地域とは別の場所に移住し、そこで繁殖を始めた生物のことである。
日本だって例外ではない。有名どころでは北アメリカから来た外来種・アライグマ。日本各地の農作物を荒らし、生態系への影響も指摘されている。また、昨年夏にはオーストラリア原産の有毒グモ・セアカゴケグモが本州でも発見され、ニュースになった。人間社会にまで被害が生じてしまう、外来種問題は深刻なのである。

しかし、その逆パターンもある。日本でなじみの「アレ」が海外で迷惑をかけているらしいのだ。「世界の侵略的外来種ワースト100」にもランクインした、そのアレとは「ワカメ」である。
日本の食卓にはかかせないワカメが、ニュージーランドやオーストラリア、ヨーロッパ諸国の沿岸域で増殖しており、生態系にも人間にも悪影響を与えているという。船の重さを調節する際のタンク内に混入し、世界に広まっていったと見られているが、そんなもん味噌汁に入れて食っちゃえばいいじゃねーか、と考えるのは早計。実はワカメを食べる文化があるのは、日本と朝鮮半島だけなのである。食べたとしても欧米人はワカメを消化する酵素を持ってない。食べることのできない、ただのジャマな海藻にすぎないのである。いまや駆除をあきらめて、日本へワカメを輸出しようという話もあるそうだが……ほんとにスミマセン、としか言いようがない。
 
そのほか、プランクトンを食べる二枚貝の「ヌマコダキガイ」。こいつは原産地である日本周辺の海では希少種のくせに、サンフランシスコ湾では大増殖。発見からわずか一年で海底を埋め尽くしてしまった。生態系は一変、小型の甲殻類や魚が減少してしまったという。ほんとスミマセン! 

さらには日本由来の侵略外来種の最終兵器といえば「葛」だ。日本では古くから食料や薬品として親しまれてきたこのくずも、アメリカでは雑草。その繁殖力の強さから心底迷惑がられている。放置するとあっという間になにもかもがくずに覆われ、付いた名前が「グリーンモンスター」……これがほんとのくず野郎でスミマセン!?

いずれも海外の地が水に合っていたのだと思うが、どうにも図々しくて申し訳ない気持ちになってしまう。元気がいいのも大概にせ~い! 

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