好調狙い馬予想 薮中泰人
コパノリッキー馬体パワフル


昨年の2歳チャンプは牡、牝ともに関東馬。今年に入ってもドゥラメンテ、ルージュバックなど大物が次々に現れ、明け3歳馬は東の攻勢が顕著だが、ダート界に限ってはまだまだ西高東低が続く。

今年最初のGⅠであるフェブラリーSも関東馬の登録がわずか1頭、それも除外対象のベルゲンクライだけだ。対して関西馬は個性の強い強豪が集結する。"王者"ホッコータルマエはドバイ直行を決めたが、主役は今年のダート王候補、コパノリッキーだ。

昨年暮れのGⅠチャンピオンズCはスタートで躓き、1角でも不利を受け12着に大敗したが、同じ舞台で行われた前走の東海Sは2番手から抜け出して4馬身差の圧勝。これが本来の姿である。前走時に村山師が「スピードにパワーを兼ね備えないとホッコータルマエに太刀打ちできない。骨がだいぶ成長してきたので今回からカイバの量も増やしている」と話していたが、発表馬体重538キロは自己最高。それも直前まで併走でコース追いとしっかり負荷をかけてのもの。たくましい馬体はこの中間もそのまま維持できている。前後のバランスがよく、全体にどっしり感があって、狙いどおりのパワフルな馬体だ。

これなら出走週まで攻め込んだ調教がやれるはず。
「マイルが一番合っている」
と村山師もみる得意舞台だ。昨年に続く連覇の可能性は高い。馬券は2着争いだが、こ
れが難解。役者がずらりとそろっている。

そんな中、東京マイルの舞台を強く意識すると浮上するのは、まずワイドバッハだ。典型的な追い込み馬だが、前4走がすべて最速上がり。1F短い前走の根岸Sでも3F34秒7と芝なみの末脚で1着に追い込んできた。

武豊がコパノリッキーに騎乗する関係で今回は蛯名だが、躍進のきっかけをつかんだ4走前のエルコンドルパサーMで勝利したコンビ。攻め馬は動かないが、実戦での強さを支持したい。

あと昨年の南部杯を制したベストウォーリアも短期放牧で息を吹き返しており、怖い存在だが、大穴は単騎ハナが可能なコーリンベリー。自分の型に持ち込めばイメージ以上に粘るタイプ。東京マイル戦は昨年のユニコーンSで2着。当時よりも力をつけている。


(日刊ゲンダイ大阪記者)

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