江戸の町は単身赴任の武士や地方から出てきた奉公人などが多く、人口の約7割が男。その男たちの性欲を処理するため、いたるところに遊女屋ができていました。
これでは風紀上よろしくないと、遊女屋を日本橋近辺の1か所にまとめて作ったのが吉原です(後に現在の地に移転)。幕府が認めた唯一の遊里でした。
吉原では「ありんす言葉」に代表される独特の言葉が使われていましたが、現在は普通に使われている「ひやかし」も、吉原生まれの言葉です。

当時、吉原の近くには紙すき職人が多く住んでいました。彼らの仕事は、古紙を集めて鍋でドロドロに溶かし、再生紙を作ること。紙をすくのは溶けた紙が冷えてからです。溶かしてから冷えるまでは、ただ待っているだけ。そこで、その間を利用して吉原をぶらつき、遊女をからかいながら時間をつぶしていました。
ここから、店をのぞくだけで金を出さない客を「ありゃ、ひやかしだ」というようになったそうです。
さて、遊郭で生まれた「ひやかし」、漢字ではどう書く?

(1)冷紙
(2)不遊
(3)素見


答え :(3)

出題:浜川卓也

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