「今なら、"松井の後継者"の称号も大げさではないでしょう」
スポーツ紙記者がこう話たいしすのは、巨人・大田泰示(24)のことだ。大田は宮崎キャンプでの紅白試合に、"現段階での理想"と原監督が編成した主力組の4番として出場。
「紅白戦3試合で、12打数6安打と打率5割をマーク。原監督の期待に見事応え、大爆発しています。この活躍ぶりに、宮崎キャンプを視察に訪れていた長嶋茂雄終身名誉監督も"大田はいいねぇー、おもしろいよ。今年は"と大絶賛でした。この調子でいけば開幕4番の可能性が高いいですね」(前同)

大田といえば、08年に東海大相模高からドラフト1位で巨人に入団。"準"永久欠番扱いとされていた松井秀喜選手の背番号55番を継承。"松井の後継者"と大きな注目を集めた。
「1年目のキャンプから原監督が直々に打撃指導するなど、球団首脳部の期待も大きかったんですが、その期待とは裏腹に1年目の1軍としての試合出場は、わずか3試合。同じく東海大相模高出身の原監督の"コネ入団"と囁かれる始末でしたね」
その後も目立った活躍はできず、鳴かず飛ばずの状態が続いたため、13年オフには背番号55番も"剥奪"されてしまっていた。
「ただ、昨季の終盤から徐々に覚醒の兆しを見せていたんです。9月15日から行われた2位広島との3連戦で、絶対に負けられない3戦目の8回に代打で起用されると、逆転の2ランホームラン。巨人のリーグ優勝に大きく貢献しました」

この"未完の大器"覚醒の裏側をスポーツ紙デスクはこう説明する。
「大田は身長188センチとプロ野球選手の中でも大型の体格。長身のため、低目のボールを打つときに体が前につんのめってしまう癖があったんです。しかし、昨オフのキャンプで、その癖を臨時コーチを務めていた松井に指摘され、改善したんです。それが、昨季終盤の活躍につながったんでしょう」

技術的な問題をクリアした大田だが、それ以上に今季期待ができるのは精神面の充実ぶりだと、スポーツ氏デスクが続ける。
「大田にとって、今季がラストチャンスなんですよ。もう7年目ですし、何より今季で最大の"後ろ盾"を失いますからね」
その後ろ盾とは、高校の後輩ということで何かと大田に目をかけてきた原監督のこと。昨季、消化試合とはいえ、公式戦で大田を4番に抜擢するなど、その寵愛ぶりは球界では有名だ。
「その原監督は今季で契約切れになってしまいますからね。そうなれば、頼れるのは自分のバットだけ。大田が今季にかける意気込みは相当なものだと思いますよ」
大田の"7年目の逆襲"に期待したい。

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