スター選手は数億円規模の年収を手にするが、一般の選手は普通のOLと大差ない薄給。そんな女子スポーツ界の収入の仕組みと格差を人気6種目で調査!

フィギュアスケートほど、おカネのかかる競技はないという。趣味として滑るなら、月数万円程度だが、競技者としてトップを目指すとなると話は別。少なくとも、家を1軒建てるぐらいの資金はかかるというのだ。

実際、トリノ五輪・金メダリストの荒川静香は以前、「5歳でスケートを始めてからトリノで金メダルを取るまでの20年の間に、2億円以上は使いました」
と、メディアに話している。

「荒川さんの言うとおり、フィギュアはレベルが上がれば上がるほど、かかる費用も膨らむ競技です。たとえば、トップスケーターの大まかな年間必要経費は、遠征費500万円、靴代150万円、衣装代120万円、振付に1曲あたり100万円。それらにコーチの契約料を加えると、総額2000万円以上という、かなりの出費になります」(スケート関係者)

一方、収入は意外と少ない。
競技会の賞金、アイスショーのギャラ、日本スケート連盟が強化選手に支給する強化費などがその主なものだが、金額は次のとおり。
賞金は、グランプリシリーズで優勝すると200万円、グランプリファイナルで優勝すると300万円。スター選手の演技がテレビで中継されるなど、見た目の華やかさに比べ、意外に少ないのが実情だ。

アイスショーのギャラは、荒川静香や浅田真央のようなスター選手なら100~200万円、それほど有名でない選手の場合は、10~20万円と言われている。スケート連盟の強化費は、国際試合に出場する特別強化選手への支給額が、最高で月20万円ほどとなっている。

現在、フィギュア界の稼ぎ頭は浅田真央。非公開だが、その年収は約6億円(13年)と言われている。
だが、その内訳は獲得賞金が約2000万円に対し、CM契約料+スポンサー契約料が約5億8000万円。なんと賞金は年収全体のわずか3%強、9割以上をスポンサー関連の収入が占めているのだ。
「こんな具合ですから、多くの選手が、スケートだけでは活動資金が賄えず、スポンサーを探して、有力企業への挨拶回りなど、しなくてもいい苦労をしているんです」(スポーツジャーナリスト)

いずれにしろ、普通の選手にとって、投資したおカネの回収は厳しいのが実情だ。
「〝自己満足のほかに、フィギュアスケートのいいところなんて何もない〞と言った元選手もいました」(スポーツ紙記者)

フィギュアの世界はどうやら、見た目ほど華麗ではないのが現実らしい。

本日の新着記事を読む