スター選手は数億円規模の年収を手にするが、一般の選手は普通のOLと大差ない薄給。そんな女子スポーツ界の収入の仕組みと格差を人気6種目で調査!

「水泳選手の定期的収入は、渡部香生子のような学生の場合はほぼゼロ。企業に勤める社会人なら、一般のサラリーマンと同程度の給与でしょう。ただ、入江陵介のように有名になれば、他の種目のスター選手と同じように、CM契約料やスポンサー契約料が入るようになり、かなり収入が増えるはずです」(スポーツジャーナリスト)

しかし、近年、水泳にも賞金の出る大会が増えてきた。
「水泳界が"アマチュアリズムの牙城"と言われたのは昔の話。いまは、賞金のかかったレースも増えて、泳いでおカネを稼ぐことも不可能ではありません。プロ宣言する選手も出てきたし、世界各地の賞金レースを回る賞金稼ぎスイマーもいます」(水連関係者)

ただし、水泳の賞金はそれほど高くない。W杯優勝で1500ドル(約18万円)、2位1000ドル(約12万円)、3位500ドル(約6万円)だ。日本での大会の場合、日本選手権(25mプール使用)水泳競技大会で優勝して10万円である。

こうなると、複数の競技で勝つか、世界新記録のボーナスを獲得しないと収入は増えない。しかし、水泳選手のメインイベントは、やはりオリンピック。
ロンドン五輪での日本人選手の場合、金メダルを獲ればJOCと水連とオフィシャルパートナーから合わせて3500万円、銀メダルで600万円、銅メダルで250万円が支給されることに。

水泳は、一人の選手が複数のメダルを獲得することができる種目だ。ロンドンでは、入江陵介が銀2個、銅1個のメダルを獲り、鈴木聡美は銀1個、銅2個のメダルを獲得した。2人とも、平均的サラリーマンの年収2年分を一大会で稼いだことになる。

とは言っても、大盤振る舞いのオリンピックは、わずか4年に1回の開催である。高額な賞金の出る大会は少ない現状では、水泳選手を取り巻く金銭的状況は厳しいと言わざるを得ない。

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