数多くの名前が挙がっては消えていったサッカー日本代表新監督に、バヒド・ハリルホジッチ氏(62)の就任が決まった。
「旧ユーゴスラビア代表のストライカーだったハリルホジッチ氏は、引退後、フランスなどのクラブチームの監督を歴任。その後、コートジボワールやアルジェリアの代表監督を務めました」(スポーツ紙記者)
アルジェリア代表監督時代の卓越した手腕は、本誌で連載中の二宮清純氏のコラム『一刀両断』に詳しいが、
「彼の就任によって、現在の主力クラスはもちろん、日本代表候補選手たちは早くもピリピリしています」(同記者)

なぜか? 昨夏のブラジルワールドカップ、そして今年1月のアジアカップと、ともに結果を残せなかった日本代表に"粛清人事"の嵐が吹き荒れる可能性があるからだ。
「親交の深い、同じボスニア・ヘルツェゴビナ出身のイビチャ・オシム元日本代表監督より、はるかに規律に厳格な"恐怖支配"が有名です。遅刻や手抜き練習をすれば、たとえ、主力選手でもスタメンから即座に外すほどの"鉄の掟"を掲げているんです」(サッカー専門誌記者)

監督としての手腕は高いが、その分、選手に対する戦術面の要求も高い。
「ブラジルW杯で、ハリルホジッチが率いたアルジェリア代表は、対戦相手ごとにシステムを変更。こうした緻密な戦術が、決して強豪国ではないアルジェリアを初のベスト16へと導いたんですが、これについていけなかった主力選手は容赦なく切り捨てられています」(同記者)

その一人に、各年代別のフランス代表にも名を連ねたあと、アルジェリア代表に選出されて活躍した、192センチの長身FWベルフォディルがいる。
「当時の彼は、日本代表の長友佑都(28)と同じイタリアのインテル所属で活躍した選手。そんな欧州の有名クラブに所属していても、走れない選手や素早い攻守の切り替えができない選手は選出されません。その意味では、現在の代表の中心、本田圭佑(28)や香川真司(25)も、安閑とはしていられないでしょうね」(同)

ベテランが外されると同時に、若手選手の起用が進むことも予想される。実際、ブラジルW杯ではアルジェリア代表の主力に19歳のMFを抜擢。これが成功を収めている。
欧州サッカーに詳しいサッカージャーナリストの安藤正純さんも、こう述べる。
「W杯を勝ち抜くには、ベテランだけでなく、若い世代の力が必要になります。今の日本代表は、あまりにもベテラン優位になっています。新監督には、遠藤保仁(35)、長谷部誠(31)、川島永嗣(31)などのベテラン選手を外して、若い力を入れることを期待したいですね」

早ければ、今月27日のチュニジア戦で、遅くとも、8月から中国で開催される東アジアカップで船出となる"ハリル・ジャパン"。はたして、その顔ぶれは!?

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