安倍官邸と沖縄県知事が普天間基地移設を巡って、真っ向から対立する緊迫した状況となっている。

全面対決の発端は、3月12日のこと。防衛省の沖縄防衛局が、昨年9月から中断していた沖縄県名護市辺野古沖の海底ボーリング調査を再開したのだ。全国誌記者が経緯を説明する。
「翁長雄志(おながたけし)沖縄県知事は、仲井眞弘多(なかいまひろかず)前知事による辺野古埋め立ての承認に、法的な問題がないか検証する第三者委員会を発足させ、その検証終了まで作業を見合わせるよう防衛局に申し入れていました。だが、その結果を待たずに、官邸側は実力行使に出たんです」

昨年11月に新基地建設反対を掲げ、当選した翁長知事は調査再開を受け、"新基地を作らせない"と、徹底抗戦の構えを見せた。
「実際、翁長知事は調査中に、海底のサンゴが破壊されたとし、防衛局へ作業停止を指示しました」

だが、安倍官邸側も一歩も引かない。
「防衛局は、翁長知事の指示の取り消しを求め、審査請求。政府が指示の一時執行停止を決めました。つまり、調査の続行を強引に決定したんです」

双方譲らず、まさに"仁義なき基地戦争"の様相を呈しているが、その裏ではキナ臭い話も聞こえる。全国紙沖縄支局記者が言う。
「翁長知事は、本音では"手打ち"をしたいとの話も。ただ、新基地反対を掲げて当選したため、引っ込みがつかない状況です。菅義偉官房長官との水面下での話し合いで、ある程度の譲歩案が出れば、頃合いをみて調査再開を容認する可能性は高いでしょう」

となれば、"基地戦争"の終結は時間の問題と思われるが、さにあらず。翁長知事は弱腰だが、知事を祭り上げた陣営の幹部たちは、強硬手段に出ようとしているというのだ。
「翁長陣営幹部は、県の駐在施設をワシントンに設置するという"奇策"を用意しています。日本政府を超えて、米政府との直接交渉を目論んでいるんです」

それだけではない。
「昨年、英国からの独立運動が話題になったスコットランドのように、陣営内部では日本から独立をしようと画策する勢力も台頭してきているというんです」

沖縄独立なんてことになれば、尖閣領内を狙う中国がもろ手をあげて喜ぶだけだろう。基地戦争で"日本分断"などという悲劇だけは絶対に避けるべきだ。

本日の新着記事を読む