好調狙い馬予想 薮中泰人
京都は瞬発力が生きる舞台設定


今週から舞台は京都に替わる。まず、馬場イメージをガラリと変える必要がありそうだ。
前開催の阪神は雨に祟られ、純然たるスピード競馬が見られなかった。芝コースは重くて、タフな馬場。特に瞬発力で勝負するタイプには辛い舞台だった。
春の京都は馬場状況が一変する。昨年を振り返ると、初日の3歳未勝利戦の7F戦で1分19秒9のレコード。2日目のメイン、マイラーズCの勝ちタイムも1分31秒7のレコードだ。冬開催のA、BコースからCコースに替わるのは昨年と同じ。今年も高速決着が増え、瞬発力が生きる舞台設定になるだろう。
種牡馬レベルでいえば、注目はやっぱりディープ産駒。とにかく瞬発力が生きる外回りコースでの強さは圧倒的だ。昨年のマイラーズCでも(1)~(3)着を独占した。今年も有力馬を送り出すディープ産駒が馬券の中心軸になる。

◎期待はダノンシャークだ(出走回避)。昨春は予定していた東京新聞杯が降雪で中止、延期になり"空輸送"した影響で体調を崩したが、今年は阪急杯を使って順調にここへ参戦する予定だ。
前走は距離不足の7F戦で5着だったが、馬体を見て驚いた。ひと回り体が大きくなり、たくましくなっていたからだ。発表馬体重も前走より18キロ増えて462キロ。もちろんデビュー以来の最高体重だった。
中間もこの体を維持、それゆえ攻め込める態勢。4月2日の坂路54秒6のあと8日には馬場が悪い中、52秒0の好タイムを早くもマークしている。

ディープ産駒らしく京都コースは最も得意する舞台で﹇4432﹈の実績。マイル戦に限定すると﹇2431﹈と馬券圏内を外したのは1回だけだ。昨秋のマイルCSの覇者であり、大目標の安田記念に向けて好スタートを切りそうだ。

最大のライバルは同じディープ産駒のフィエロ。昨秋のマイルCSではゴール寸前でダノンシャークの強襲に遭ったが、レース内容は敗れてなお強し。こちらが主役といえる取り口だった。

今回は休み明けになるが、テッポウが利くタイプでこちらも京都は得意コース。マイル戦では3戦(1)(2)(2)着と連を外していない。3月半ばから乗り込み、坂路2回乗りも取り入れてレース2週前時点でコース、坂路で4本の攻め時計。いきなり好勝負に持ち込みそうだ。

この2頭に割って入るなら角居厩舎か。ディアデラマドレ、フルーキーの2頭出し。とりわけ牝馬だが、ディアデラの瞬発力には注目がいる。


(日刊ゲンダイ大阪記者)

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