今、新宿ゴールデン街のあるバーが若い女性であふれ返っているという。
「バーといっても単に酒が飲めるだけではなく、御年70歳を超える名物ママから説教をされる"説教バー"として、20代女性に人気を博しているんですよ」(グルメ誌ライター)

M副編集長より「最近、たるんでるから、説教されてこい!」との指令を受け、佐賀県唐津市から上京してきた本誌童貞部員とアラフォー新人部員が突撃した。

新人「説教されに行くなんて憂鬱な仕事ですね」

童貞「フフ、新人部員はまだまだ未熟者たい。説教バーに来ているのは若い女性。説教されようと店に来る女なんてMに決まっとうでしょ。そんな彼女たちを店外に連れ出してホテルで"特別説法"すっとですよ」

よからぬ妄想を抱きつつ、2人は2月下旬の夜9時頃に店を訪れた。カウンター席のみのこじんまりとした店内は、ほぼ満席の活況ぶり。客は若い女性だらけ……とはいかず、50代の男女が、名物ママを囲んでワイワイと飲んでいた。

童貞「なんだよ、またガセネタやったばい」
とガッカリする2人だったが、

ママ「あんたら、早く注文しなさいよ。男なら、お酒は悩まず注文よ」
と、説教されるバーというのは間違いないようだ。

ママ「何? あんたら説教されにきたの!? 何もあなたの悩みを知らないのに、そんな急に説教しろって言われても、そんなの、できるわけないじゃない」

童貞「おい、こう見えて彼女ができんとです」

ママ「こう見えてって、あんた、失礼だけど見た目は牛タンみたいよ」

童貞「牛タン!? せめて動物にしてほしかぁ」

ママ「だいたい彼女ができないのなんて、自己責任よ」

説教されて、しかも目的の若い女の子もおらず涙目になる童貞だったが、1時間もすると、隣の席に一人の若い女性がやってきた。都内で働くOLの佳奈さん(24=仮名)は、社会人2年目で仕事の悩みをたびたびママに相談しているという。

今回は、上司のミスを自分の責任にされたと愚痴っていた。
「そういうときは、言い訳をせずに素直に謝るもんよ。自分にも責任があることは上司もわかっているの。そこでちゃんと謝れば、いい上司なら、あなたのことを評価してくれるはずよ」
ママのアドバイスが腑に落ちたのか、パーッと表情が明るくなっていく佳奈さん。お酒のペースも、どんどん上がっていく。徐々に牛タンの肩に彼女が、しなだれかかってくる。
新人「童貞先輩、チャンスですよ!」
この合図に、牛タンは意を決して、佳奈さんの顔を覗き込み、徐々に彼女の唇が近づいてくる。

ママ「あんたねぇ! 男のくせに、キスしようとするときに目を閉じるんじゃないよ。男は半開き!」
ヒィー! せっかくのいい雰囲気がママの説教で台無しに。夜の"特別説法"は叶わなかったが、愛の込もった説教をするママの人柄に惹かれた人々の笑い声で店は包まれていた。

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