活発な火山活動が続く神奈川県の箱根山。
「5月6日に噴火警戒レベルが箱根山では初となる"2"へと引き上げられて以降、観光名所となっている大涌谷の半径300メートル以内は、立ち入りが制限されています。噴火の可能性は依然高く、気象庁では13日、火山観測機器を臨時で設置し、観測態勢を強化すると発表しました」(全国紙記者)

1967年より箱根山の調査研究を行う神奈川県温泉地学研究所(以下、温地研)の担当者は、次のように語る。
「2001年、06年、08~09年、11年、13年と、これまでも数年おきに火山活動は活発化しましたが、現在の活動は観測史上、最も大規模です」

火山性地震は8日から急増し、10日だけで327回を数えた。4月26日以降の地震総数は2000回を超え、過去最多だった01年の回数を上回っている。今にも噴火しそうな状況だが、「箱根山をなめてはいけません」と語るのは、ある科学ジャーナリスト。
「歴史的には箱根山の爆発が、富士山の10倍以上の規模であったとも言われています。南関東地方のほとんどを覆う関東ローム層に、箱根山の火山灰が含まれることからも、大きな噴火が起きれば、その被害の甚大さは明らかです。火山灰がもろに降りかかれば、呼吸器や目がやられますし、万が一、今、大規模噴火となれば、首都圏も含む広域が壊滅状態に陥ります」

前出の温地研担当者は過去の箱根山大噴火について、こう証言する。
「6万5000年前の大噴火では、火砕流が現在の横浜あたりまで流れてきたことが確認されています」
当時の火砕流の速度は時速200キロとも言われ、大噴火からわずか15分ほどで、箱根から横浜市内までがマグマで燃えつくされたことになる。

とはいえ、「箱根山は人間で言うなら"達者なお年寄り"。これまでのように、火山活動は確認されても、噴火まで至らない可能性も十分にあります。正確な情報を得て、正しく対応していただきたい」(前同)

過度な心配は無用だが、「噴火は予測できない」(同)とのこと。最悪の事態に備えておく必要はある。

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