刑事ドラマでは、刑事が警察手帳を提示するシーンが映し出されることがある。しかし警察手帳を見せられて、それが本物か偽物かを見破ることのできる人はあまり多くないだろう。

4月29日、すでに強制わいせつ罪などで起訴されている男が、警察官を名乗って女性の部屋に侵入し、現金を奪って乱暴しようとしたとして、大阪府警捜査1課によって再逮捕された。

なんでもこの男、3月16日に府内のマンションに住む20代女性の部屋に、黒のスーツ姿で訪れ、警察官を名乗ったうえで「6階付近から石が投げられたのでベランダを調べたい」と部屋に侵入したらしい。

しかし男はベランダを調べ終わったところで豹変。「実は警察官ではない、金を取りにきた」と現金約5万円を奪ったうえ、女性に乱暴しようとしたという。女性は警察手帳らしきものを提示されて、この男を部屋に上げてしまった模様。

ところがその後、男の自宅からスーツや手袋とともに押収されたのは、「けいさつてちょう」とひらがなで書かれただけの手帳だったというから驚きだ。「せめて漢字で書けよ!」と思わなくもないが、そんなふざけた警察手帳が通用してしまったことにもビックリさせられる。

被害者女性も男がニセ警察官だとはまったく疑っておらず、警察手帳をチラッとしか見せられなくても不思議に思わなかったのかもしれない。

犯罪者が警察官を名乗るケースは少なくない。「けいさつてちょう」はともかく、そのようななりすまし犯はマニア用に売られている制服や警察手帳を利用するのが常。そうなると一般人が見破るのは、たやすいことではない。

「この警察官、なんかうさんくさい」と感じた場合、まずは警察手帳をしっかり確認すること。そして所属の部署名などを聞いたうえ、こちらから警察に電話をして本人かどうかを確認するなどの対応も必要だろう。

また、私服の警官は名刺を持っているので、警察だと名乗られたら、必ず何か名前の入ったモノをもらって、後日の証拠にするといいだろう。

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