大阪都構想の是非を問う5月17日の住民投票が決し、橋下徹大阪市長が「政界引退」を宣言――。世間が騒いでいた頃、本誌取材班が向かっていたのは、その橋下氏から『維新の党』除名処分を受けた"浪速のエリカ様"こと上西小百合衆議院議員の事務所。今、彼女は何を思うのか?


――全身シャネルを着て、ハシゴ酒して本会議を休んで、男性秘書とホワイトデーに不倫旅行……って、本誌の読者にとって、上西さんのイメージは、こんな感じかもしれません……。

上西 どうしようもない感じですね(笑)。ほんと勝手な、事実無根の報道で、迷惑してるんですよ。私のこれまでの実績がすべて吹っ飛んでしまいました。

――"シャネルは持ってないし、ハシゴ酒どころか一滴も飲んでない。旅行も行ってない。秘書も上西さんも独身で不倫でもなく、そもそも交際の事実もない"……と、いろんな媒体で語ってらしたので、先にまとめさせていただきました。

上西 ありがとうございます(笑)。

――さて今回、実施された大阪都構想の住民投票の結果を受けて、橋下市長が"政界引退"を表明しました。この決断を、どう受け止めますか?

上西 政治家の進退は、本人が決めることだと思うので、私から申し上げることはないです。ただ、橋下さんは、稀有な政治家だったんだなと感じます。改革への突破力、発信力も、とてつもなかったですよ。

――どんなところが、とてつもなかったですか?

上西 たとえば、業界団体の人が、「パーティに行っても、(橋下さんは)何も要望を聞いてくれない!」って言うんです。「要望を通すために行ってるのに、何も聞いてくれへんやんか」って、団体の人から、なぜか私が怒られたりして。そんなこと言われても、「えっ、なんで私に言う?」って思うねんけど(笑)。普通の政治家なら、「そうですか、そうですか」って陳情を聞くんでしょうけど、そんなしがらみにとらわれず、やってこられたのは、稀なことだと思いますね。

――既得権益を壊そうとしてきた、仕事に厳しい人なんですね。もしかして優しさ成分はゼロ?

上西 いやいや、そんなことないです。こんな処分になってしまいましたけど(笑)、会合では「どうですか、頑張ってますか?」と、にこやかに声をかけて、気にかけてくれまして。それと、"セクハラ野次"があったときですが……。

――昨年4月、自民党の大西英男衆院議員が「子どもを産まないとダメだ」と上西さんに野次を飛ばした問題ですね。

上西 周囲からは、"野次を言った人(大西議員)を呼び出して、テレビカメラの前で謝らせろ"って声も出てたんですね。でも、私は直接、電話で謝罪してもらってたし、"それは結構です"って断ったんです。一連の対応は「立派です」と、橋下さんにメールをいただきました。

――パフォーマンスで目立てばいいわけではない、と。セクハラ、性の問題といえば、上西さんは維新の党でたった2人の女性議員のうちの一人でした。維新の党は、男性中心的だと思ったりしました?

上西 まあ、政治の世界は、基本的にほとんど男性ですから……。私も、自分のことを男だと思うくらいの勢いでやってきてまして……。

――大変な世界なんですね。

上西 「私、女の子だから」ってスタンスだと、とてもじゃないけど、自分の意見は言えないし、それが通る世界じゃない。それぞれが個人商店で、地元で(有権者に)聞いてきたことを実現したい、という思いでやってますから、男も女も関係ないと私は思ってます。

――とはいえ、"酒席の必殺技は男性議員への「ウルウル上目使い」"という記事が出て、「あれをやられたら誰でも憎からず思ってしまうわけですよ」という国会議員の声も紹介されました。

上西 それ、言ってる先生、知りたいな(笑)。記事も読みましたけど、心当たりがまったくないですね。

――失礼しました。では最後に、これからの目標を聞かせてください。

上西 "無所属では立法ができない""何もできない"と言う人もいますが、無所属でも、西川きよしさんは参院議員として3期18年間、福祉の分野を中心に活躍されてきました。私は、党では女性局事務局長を担当させていただきました。シングルマザー、DV問題などに取り組んできましたが、今、思うのは、「すべての女性が同じように働きたいわけじゃない」ということ。いろんな選択肢があっていいし、そのためには、国が福祉制度も充実させていかなければならない。

――なるほどです。

上西 そして、これまでも私は大阪の経済発展のために取り組んできました。国民の自由な経済活動を保障するための規制改革にも、多くの選択肢を提供できるよう、議員生活の中で築いた人脈や知識を武器に、引き続き、国民目線で闘い続けるよう努めて参ります。

一人会派で、どこまでやれるか。お手並み拝見!

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