好調狙い馬予想 薮中泰人
筋肉がつきマイラー向け馬体 強烈な末脚でV奪取フィエロ


春の古馬マイル王はフィエロに決まりだ。
昨秋のマイルCSは頭の上げ下げでダノンシャークに屈した。しかし、レースを支配していたのは紛れもなく同馬。ハナ差は展開のアヤだった。
前哨戦のマイラーズCも敗れてなお強しの競馬だ。前・後半の4Fラップが47秒7.44秒9の超スロー。ほぼ行った行ったで決着する中、4角11番手から鋭く追い込んでクビ、クビ差の3着だ。それも1F手前で前が詰まる不利があってのもの。現在のマイル界で間違いなく地力は一番。それを証明するのが、今回の安田記念である。

馬体も完成されてきた。マイラーに必要な筋肉がつき、見た目にもたくましい体。以前のヤワな感じがまったくない。たくましい胸前、パンとはった後肢。どっしりと落ち着き払った姿はまさしく完成形だ。

2週前時点で陣営は攻め込める態勢も築きあげた。5月21日に坂路57秒1、3日後にも同じ坂路で56秒5。併走で気合も注入された。これなら直前調教でラスト11秒台が出るかもしれない。鞍上・戸崎が2度目の騎乗で、左回りは3勝の実績馬。今度こそ堂々と主役を張る。

相手本線もディープ産駒のヴァンセンヌだ。休み明けの前走はハナ差の2着に敗れ、連勝は4で止まったが、上がりの速い決着の中、4角15番手から強烈に追い込んできた。自身の上がり3Fはレース上がりを1秒も上回る32秒7だ。鞍上・福永がほれ込むだけのことはある。

レース後は「本格化してきました。本番が楽しみ」の言葉を残している。レース間隔がなく2週前時点で時計は出していないが、体に締まりが出てきたのは好材料。直前のひと追いで、きっちり仕上がってくるだろう。

▲は転厩して瞬発力に磨きがかかったモーリス。ゲート不安が消えたレッドアリオンが★。あとはリアルインパクト、ダノンシャークが△の押さえだ。


(日刊ゲンダイ大阪記者)

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