好調狙い馬予想 薮中泰人
堀VS 池江の厩舎対決に注目


今週の阪神は重賞レースがなく、日曜メインはオープン特別の米子S。ここで必勝を期すのが5歳牝馬のスマートレイアーだ。
今季はヴィクトリアマイルを目標に阪神牝馬Sからの使い出し。4着の結果は少し余裕のある作りを思えば上々の内容だった。

ところが本番は前が残る特殊な流れになり、4角殿から直線にかける競馬が完全に裏目。ディアデラマドレに次ぐ上がり3F32秒9で追い込んでも10着が精いっぱいだった。このままでは終われないは陣営の本音だろう。米子Sはウサ晴らしには絶好の舞台だ。阪神は全5勝のうち4勝を挙げる得意コース。
昨年、重賞勝ちを飾ったのも阪神だ。舞台も外回りコースのマイル戦だから文句なし。よほどの道悪にならない限りは信頼できる中心馬だと言えるだろう。

さて、重賞レースが組まれているのは東京と、今週から開幕する函館だ。
まず東京のユニコーンSは1600メートルのダートで争われる3歳重賞。大注目はゴールデンバローズだろう。

今春、ドバイで行われたUAEダービーの3着馬で、一枚上の実力馬。所属は今年の国内GⅠ3勝と、絶好調の堀厩舎だ。帰厩後も丹念な乗り込みで、出走態勢を整えている。

関西馬で逆転候補を探せば、まずタップザット。所属する池江厩舎は6月1週戦を終了した時点でリーディング2位。トップの堀厩舎とは2勝差で、激しく火花を散らしている。
タップは中間の動きがやけにいい。2週前追い切りでは古馬のダノンカモンを手ごたえで圧倒、ラスト11秒9で駆け抜けた。UAEダービーでは5着に敗れたが、この経験が明らかにプラスと出たか。成長度で肉薄する場面はある。

もう1頭、アキトクレッセントの先行粘り込みにも注意がいる。折り合い面で進境を見せており、東京のマイルダートも2回目。前走(3着)以上の結果が期待できる。

函館スプリントSは本格化したティーハーフに注目。5歳の今年は目に見えて強くなった。目下2連勝中で、その内容がまたいい。テンに置かれて追い込んでも届かずのタイプだったが、位置を上げても切れる脚が使えるまで成長している。
とりわけ、前走の京都戦はレースの前後半の3Fが34秒9-34秒1の後掲ラップ。それを4角7番手の中団から楽に差し抜けている。

兄に香港スプリントを制したラッキーナイン、今年の高松宮記念4着のサドンストームがいる優秀な短距離血統。勢いに乗っての重賞Vまであると見た。


(日刊ゲンダイ大阪記者)

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