21世紀の現代病!「睡眠時無呼吸症」を改善する画期的な器具とは?の画像
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睡眠を妨げる病気である「睡眠時無呼吸症候群」は、眠っているときに無呼吸状態になってしまう症状で「SAS(Sleep Apnea Syndrome)」とも呼ばれている。無呼吸状態とは呼吸が10秒以上止まっていることで、これが睡眠中に30回以上、もしくは1時間あたり5回以上あると身体に取り込まれる酸素の量が少なくなって、さまざまな臓器に障害をもたらすうえ、日中に眠くなり活動が低下してしまう。

この症状によりタクシーやトラックの運転手、電車や飛行機の操縦士など、あらゆる交通機関で居眠り運転事故の危険が潜んでいる。また、会議など大事な要件中であっても居眠りしたり、仕事への意欲が低下してしまう。「睡眠時無呼吸症候群」とは、交通事故や経済的な損失などを招いてしまう21世紀の現代病なのだ。

そんな厄介な病気を改善する画期的な治療器具、「エアリング(Airing)」が開発されて、世界中で話題になっている。

現在、「睡眠時無呼吸症候群」の治療には「シーパップ(CPAP)」という、鼻に装着したマスクから空気を送り込む機械が使われている。しかし、パイプ付きの大きなマスク状であるため、顔に被せたまま眠ろうとしても邪魔で、せっかく呼吸は楽になっても眠れないという患者も少なくないのだ。

そこで注目されているのが「シーパップ」を超小型化した、鼻栓のような形をしている「エアリング」なのだ。電源が本体に搭載され、パイプやマスク部分がなくなり、睡眠の妨げにならないらしい。開発のアドバイザーとして参加している、アメリカのBrigham & Women's病院のJeffrey Bass医師も『エアリングは患者が使用することを面倒くさがらない、初めての治療器具だと思います』と語っている。

しかし、「エアリング」が実用化されるには、まず、アメリカ政府機関であるアメリカ食品医薬品局の認可を取得しなければいけないそうだ。開発者は『シーパップを小型化しただけなので、認可取得にたいした障害はない』と自信満々なのだが、今のところ判断を待っている段階で、販売できるかは未定らしい。

また、「エアリング」はクラウドファンディング(ネットを使った資金集め)で開発資金を募集していて、支援を受け付けていた7月15日までに、目標額10万ドルの8倍以上の約86万ドルが寄せられている。これも「エアリング」への期待のあらわれなのだろうが、残念ながら法的な問題があるため、お金を出しても「エアリング」本体はもらえないそうだ。その代わり、電池などの交換用品のクーポンがもらえるのだが、これも政府機関の認可が下りたあとでないと使えない。どうやら日本にいる患者は、まずアメリカでの成功を祈るしかないようだ。

https://www.youtube.com/watch?v=uEzvw9tfMJM

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