好調狙い馬予想 薮中泰人
明らかに変化したダローネガ


オーラス中京を締めくくる日曜メインは中京記念だ。
3年前に二千からマイル戦、3月から夏開催へと変更されたGⅢ重賞で、サマーマイルシリーズの第1戦にも指定されている。

前3年を振り返ると1、2番人気馬の連対はなし。
3連単は順に23万、36万、42万馬券という荒れっぷり。今年も波乱を想定した馬券検討が必要である。

馬券圏内に食い込んだ好走馬はいずれも差し、追い込みタイプだ。逃げ、先行馬が苦戦しているのは馬場状態に理由がある。内側の芝の痛みが進む最終日。いわゆるアウト差しが決まる舞台設定へと変化するからだ。今年もすでに2週戦の時点でアウト差しが多発している。
狙いは差し馬に絞ってよさそうだ。

連軸期待はダローネガだ。2歳時にGⅡデイリー杯2歳Sで2着の実績があるが、その後は伸び悩んだ。3歳夏にオープン特別を勝ったあとは17戦も勝てなかった(入着は9回)。

しかし、明らかな変化は今年の2戦だ。4月の東京戦で復帰すると、いきなりサトノアラジンのクビ差2着に好走。続く前走の湘南Sで待望の勝利を飾った。
2走前の上がりが33秒9、前走は34秒2と末脚が切れたが、特に前走は4角11番手からゴール前の脚色は見た目にも鋭く、レース上がりを1秒も上回る切れ味だった。

急激な上昇に「今季は腰の状態がいい」と話すのは佐々木晶師だが、レース面の変化をいえば、以前のような行きたがる面がなくなり折り合いがよくなったことが上げられる。前2走と舞台条件が似通う中京記念。勢いに乗っての重賞勝ちまであるとみた。

中間仕上げもいい。すでに2週前時点で3本の坂路追いを消化。特に7月2日には53秒3-2F24秒8の速い上がりを馬なりでマークしている。馬体に膨らみがあって、張り状態も満点。完全に波に乗ったと感じさせる充実ぶりだ。

レッドアリオンが格的に優位に立つが、ゲートがよくなった近走は前めでの競馬。差し馬の目標になるから人気を裏切るケースも想定される。ハナ候補のカレンブラックヒルも楽観はできないだろう。

それならトーセンレーヴに注意がいる。4歳時にエプソムC勝ちがある実力馬だが、この中間の気配がやけにいい。坂路、コースでしっかり乗り込み、いい頃の切れある動きが蘇っている。左回りのマイル戦も得意にする舞台だ。あと前2年、連続2着に好走しているミッキードリームもここ目標に乗り込んできた。今年も警戒がいる。


(日刊ゲンダイ大阪記者)

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