好調狙い馬予想 薮中泰人
夏本番で復活のリトルゲルダ


夏の新潟競馬のオープニングを飾るのはアイビスサマーダッシュ。直線1000メートルのGⅢ重賞だ。昨年の覇者、セイコーライコウが連覇を狙って出走するが、狙いは関西馬のリトルゲルダ。一昨年が3着、昨年が4着と善戦止まりに終わっているが、ここを足場に昨年は北九州記念、セントウルSと2重賞を制覇。見事、サマースプリントチャンピオンに輝いた。

その後は、暮れの香港遠征でしんがり負け。復帰した今年の前半も6、16、11着とさえない成績が続くが、忘れてはならないのが完全な夏馬だということ。現に、全7勝中、5勝を7~9月に挙げている。
「昔から言うやろ。牝馬と、セン馬は夏がいいって。冬場は毛が伸びて見た目にもみすぼらしく見えるから」

こう言うのは調教役の寺井助手だが、リトルゲルダはそれでなくても冬場は体が硬くなる。
完全に本調子を欠いていたから参考外だ。立て直して2か月半ぶりの今回は
「良くなってきたね。身のこなしも今は硬い感じがない」
と続けたが、なるほど中間調教がやけに熱心だ。

6月28日の坂路初時計から、1週2本のペースで時計を出している。
もともと新潟の直千競馬はデビュー2戦目勝ちからキャリアを積み、前記した2戦を含めて〔2121〕とすべて4着以内。得意にする舞台だし、テッポウも利く。夏本番、昨年のサマーチャンプがここで復活する。

M・デムーロに手が替わるベルカントにもチャンスがある。2~3歳時に2重賞を制したスプリンターで、昨年の新潟スプリンターズS5着のあと、7、12、13着と成績が上がらないが、直線競馬で激変する可能性をはらんでいる。
というのもコーナーリング(特に左回り)が甘く、直線に向いた時点で勢いがそがれる競馬を繰り返しているからだ。そんな欠点がカバーできる直千競馬。本来持つポテンシャルの高さが生きていい。

CBC賞を右肩部挫創で取り消したが、その影響もなく4日後に坂路57秒2。12日、19日とレース2週前時点で3本の坂路時計をマークだ。ボストンハーバーの肌に父がサクラバクシンオー。1000メートル競馬がぴったりの配合である。

北海道シリーズは今週から札幌に舞台を移す。開幕メインのクイーンSはフレイムコードで穴狙いだ。遠征前から体調がいいと聞いていたが、先行抜け出した前走の函館戦はかなり強い競馬。洋芝に高い適性がある。夏場を得意にし、先行ペースに持ち込める今年のメンバー。4角スパートで前走の再現も十分だ。


(日刊ゲンダイ大阪記者)

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