好調狙い馬予想 薮中泰人
完成度上シュウジが重賞制覇


夏の小倉競馬もいよいよオーラス。フィナーレを飾るのは2歳競馬の総決算、小倉2歳Sだ。前10年の勝ち馬を振り返ると圧倒的に強いのが小倉組。4年前のエピセアローム以外は、すべて小倉で勝利を挙げていた。

ただし、今年はどうか。
小倉デビュー馬は例年よりレベルが低く映る。馬場を柔らかく作った影響があるにしても、6Fのデビュー戦で最速タイムは1分9秒9。あとの7鞍は、10秒を切れなかった(4週戦終了時点)。未勝利戦でも最速はサイモンゼーレの1分9秒5に留まっている。

一方、新潟競馬の2歳戦では今年も関西馬の強さが目立っていたが、どうやら素質馬は距離の選択肢が多い新潟が厩舎の方針。そのぶん小倉デビュー馬はレベルが下がったのだろう。

というわけで、今年は小倉組より、一つ前の開催、中京デビュー馬に狙いを定める。実際、素質馬が多くデビューし、2戦目の未勝利戦をレコードで勝ったシルバーステートなどは早くもクラシック候補の呼び声が高い。もちろん短距離タイプにも期待馬が多く出た。

なかでも白眉はシュウジだろう。デビュー戦が4角先頭からの押し切り。続く中京2歳Sも3馬身差で逃げ切った素質馬だ。7F→マイル戦を使って今回は距離短縮の6F戦。異例の使い方だが、気性、馬体面を考えればマイナスにならない。とても前向きな走りでペースが緩むと折り合い面で苦労するタイプ。前半3Fは33秒台が当たり前の小倉6F戦は流れ的にもプラスに働くからだ。

それでなくても兄は短距離戦で活躍したツルマルレオンで、寸が詰まった馬体は兄に酷似。2歳のこの時期にしては後肢の発達が目立ち、完成度の差でも優位に立っている。夏の小倉は今年が最後になる橋口弘厩舎。鞍上に岩田を確保して重賞取りへのモチベーションはとても高い。ライバル一番手はレッドカーペット。デビュー戦でシュウジに敗れたが、2戦目が2馬身半差の楽勝だ。

荒削りな面はあるが、潜在能力は相当に高い。折り合い面を考えると同馬も6F戦はプラスに働く。あと小倉組で可能性があるならジュンゲルだ。勝ちタイムは1分11秒1と遅かったが、奥の深さを感じさせる勝ち内容だった。

新潟記念がフィナーレになる新潟競馬は、ここを狙っていたダコールだ。春の新潟大賞典で待望の重賞勝ちを飾ったディープ産駒。当時と同じ舞台で、鞍上も同じ小牧だ。レース2週前時点で2本の坂路追い。態勢も整っている。


(日刊ゲンダイ大阪記者)

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