好調狙い馬予想 薮中泰人
藤原英厩舎の2頭が狙い目!


3部門のサマーシリーズや、WASジョッキーズに目を奪われているうちに、リーディング・トレーナー争いが激化している。夏競馬前の時点では東の堀厩舎、西の池江厩舎のマッチレースの様相だったが、8月終了時点では3厩舎が接近する形に。勝ち星を延ばしたのは藤原英厩舎だ。

4月終了時点では8勝と伸び悩んでいたが、5月6勝、6月6勝、7月7勝と量産し、8月も6勝を上げ、3週戦終了時点では一時33勝でトップに躍り出ていた。
シルバーステートを筆頭にサプルマインド、ジュンゲルといった2歳の素質馬も現れ、今年は最後までリーディング争いを面白くしてくれそうだ。

秋競馬の開幕週も主役は藤原英厩舎だ。阪神メインのセントウルSにはウリウリ、ストレイトガールがスタンバイ。ワンツーも夢ではない2頭である。
ウリウリは前走のCBC賞からスプリント路線へ本格参戦。中団から直一気に差し切り適性の高さを見せつけた。中京より直線が短い阪神にコースが替わるのはプラスといえないが、持っているポテンシャルはイメージ以上の可能性がある。

8月23日の初時計から27日には同じ坂路で53秒9-12秒2をマーク。仕上げ早の牝馬らしく、いきなり結果が出せる態勢だ。

ストレイトガールは今春のヴィクトリアマイルで悲願のGⅠ制覇を果たしたが、本来の持ち場はスプリント戦。昨秋のスプリンターズSでも2着に好走している。初時計が8月19日で23日、26日と立て続けに坂路で軽快な動きを披露。

そして圧巻は29日の坂路だ。4F52秒6、上がり2Fを23秒8、11秒8で上がってきた。昨年は本番ぶっつけだったが、今年は前哨戦から使える体調のよさも魅力である。

ハクサンムーンも有力馬の1頭だ。セントウルSは前2年も使っていて1、2着。一昨年はあのロードカナロアを押さえ込んだ。今年は春の高松宮記念でも2着に好走し、健在ぶりを誇示したが、体調が上がるのは冬場より夏場。昨年と同じ調整過程を踏み、2週前追い切りでは坂路で52秒0-12秒0の好時計をマーク。張りのある馬体にも好感が持て、得意の逃げで2年前の再現を狙っている。

中山のオープニングを飾るのは京成杯AH。サマーシリーズのマイル部門の最終戦でスマートオリオン、レッドアリオンがチャンピオンの座を狙うが、ともに日程が詰まっている点がどうか。関屋記念をパスしてここに狙いを定めたダローネガに食指が動く。鞍上のルメールも魅力だ。


(日刊ゲンダイ大阪記者)

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