ラジオやテレビのなかった江戸時代、人々の貴重な情報源になっていたのが「かわら版」です。記事の一部を読みながら売られたので「読売」とも呼ばれていました。
江戸中期までは庶民の識字率が低く、文字の読めない人も多かったため、説明しながら売る必要があったのでしょう。絵を入れて、視覚に訴える工夫もしていました。内容は事件や災害から心中、敵討ち、妖怪出現など、人の興味を引きそうなものなら何でもあり。ただし、政治に対する批判はご法度でした。
時代劇では、威勢のいい売り手が大声を出して客にアピールする姿が描かれたりします。しかし、実際のかわら版売りは意外と地味。編み笠をかぶって顔を隠し、控えめに商売していたそうです。幕府はおかしな噂が広まって世の中が乱れることを懸念しており、派手に動くと役人に目をつけられ、取り締まりの対象になる恐れがあったからでしょう。
かわら版は明治になるまで、250年間も発行され続けています。現存する最も古いかわら版が取り上げている事柄は?
(1)大阪夏の陣
(2)由井正雪の乱
(3)赤穗浪士討ち入り
答え :(1)
出題:浜川卓也