“元アウトローのカリスマ”こと、瓜田純士(35)が、元少年Aによる手記『絶歌』(太田出版)や、川崎中学生殺害事件など、現代日本を騒がす時事問題に対しての考えを綴った自著『國殺 国が國を殺している』(竹書房)を上梓した。
かつては格闘家として、前田日明がプロデュースをする『ジ・アウトサイダー』の旗揚げ大会にも出場し、“新宿のカリスマ”という唯一無二のキャラクターを世間に知らしめた瓜田氏。顔にまでビッシリと彫り込まれたタトゥーや、独自の文学性が高い評価を受け、アンダーグラウンドを中心にジワジワと知名度があがり、一時はブログが月に一億PVを稼ぐほどの絶大な支持を得た。
『「遺書」関東連合崩壊の真実と、ある兄弟の絆』(竹書房より文庫化)の著者でもある瓜田氏だが、最新刊『國殺 国が國を殺している』では『絶歌』の著者である元少年Aに対し、瓜田氏独自の目線でメッセージを送る。
「てめぇはただの幼稚な弱虫とエゴイズム……で、世の中の汚物なんだよ」(『國殺』p37より引用)
そんな瓜田の5作目ともなる著書『國殺 国が國を殺している』の怒りの対象は、「元少年A」のほかにも、全10章の“警告”で構成されており「イスラム国に告ぐ」「イジメと自殺。加害者に告ぐ」「危険ドラッグの裏に居る奴等に告ぐ」「川崎中学生殺害事件に告ぐ」「オリンピックに告ぐ」など、いずれも世間を騒がせたものばかり。
かつて“アウトローのカリスマ”と呼ばれた瓜田純士が、時事問題を語る本を出版したとあり、世間からはその意外さに驚く声があがった。だがどの章に関しても、アンダーグラウンドを知る瓜田氏ならではの着眼点の新鮮さを見せつけてくれる。時代の悲しみを憂う、ひとりの男の声が本書には響いている。
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『國殺 国が國を殺している』竹書房・1300円(税抜き)/うりた・じゅんし 79年新宿歌舞伎町生まれ。獄中生活を経て文筆に目覚める。著作に『「遺書」 関東連合崩壊の真実と、ある兄弟の絆』』(竹書房文庫)、『ドブネズミのバラード』(太田出版)などがある。

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