アメンボ系男子に要注意!?「昆虫の恋愛術」が意外な恋のアドバイスに!!の画像
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 目当ての女性が自分を受け入れてくれないなら、その子の“天敵”を呼んで「痛い目に遭わせるぞ」と脅し、しぶしぶ自分を受け入れさせる……。好きになった相手がすでに他の女性と家庭を築いていたなら、その愛の巣をめちゃくちゃに破壊して、その男性を無理やり奪う……。

「トンデモないやつだ!」と思われるでしょうか? 実はこれ、どちらも「虫」の話なんです。前者はアメンボ、後者はタガメ。繁殖するために生まれてきたといっても過言ではない虫たち。全身全霊で恋する相手を探し、その相手に振り向いてもらうためには手段を選ばず、命をかけて受精させる。壮絶なようでいて、実は人間も同じことをしてやいませんか? ふと周囲を見回すと、アメンボのオスと同様の姑息な手段で女性に迫る男子や、タガメのメスのようになりふり構わず自分の恋愛を押し通す女子が、ひとりやふたりいてもおかしくありません。

 このような虫の恋愛術が綴られているのは『恋する昆虫図鑑~ムシとヒトの恋愛戦略』(文藝春秋)。現役の慶応大生にして、虫をこよなく愛する篠原かをりさんの初めての著書です。全36種の昆虫における、恋愛戦略=交尾をして次世代に命をつなぐための戦略が紹介されています。地球上のあらゆる場所に住みつき、現在わかっているだけでも約100万種(日本には約3万種)が記録されている虫それぞれに、こうした独自の恋愛模様があると考えると、非常に壮大でロマンを感じますよね。

 一方の私たち人間はといえば、学生時代も社会人になってからも恋愛関係のゴタゴタがどこかで起きています。「私は関係ない」と思っていても気づいたら揉めごとに巻き込まれていることもあるし、逆にドラマチックな恋愛のヒロインになっていることもある。人間は社会背景や文化、込み入った人間関係によって複雑化しているため、虫のように繁殖に向けてまっしぐらというわけにはいきません。でも生物であるかぎり、本能の命ずるままに動けばヒトも動物も虫もたいして変わらない。特に生殖と大いに関わりがある恋愛では、それが露呈しやすいのです。

 ……と思ってこの本を読んでみると、むしろヒントになることが多いから不思議です。たとえば先述のアメンボを彷彿させる“アメンボ系男子”は、「日頃からボディタッチが多い」「普段は悪い人ばかりではないが、よく見ると自己中」「服のセンスが独特」といった特徴があるのだとか。こうした男子には近づかないほうが身のためです。また、キリギリスのメスは産卵のための栄養となる袋をオスからもらってから交尾しますが、この袋ほしさにメスは次々とオスを誘惑し、交尾に持ち込むのです。受け身なんてまっぴら、パートナーは自分が選ぶ! しかも何人でも一手に引き受けちゃうから! という積極的な肉食女子は、この“キリギリス系女子”のスタイルを真似してみるのも手。

 自分の恋愛スタイルと比較しながらこの本を読めば、必ずぴたりと合うタイプの虫がいるはず。人と虫に共通点があるのも不思議に思えますが、自分の恋愛を客観的に見直すよいきっかけとなってくれるでしょう。

●『恋する昆虫図鑑~ムシとヒトの恋愛戦略』篠原かをり著/文藝春秋
http://www.amazon.co.jp/dp/4163903542/

(森友ピコ)

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