◎ゴールドシップが引退レースを勝利で飾る。深謀をめぐらしたジャパンCへの参戦だった。ゲート再試験にパスはしたが、レース本番で失敗すれば有馬記念は自動的に出走不可。即、引退の危険な賭けでもあった。

 そのためジャパンCの調整は緩やかなペースで実施。コース追いを多用し、馬の気分を重視した調教。前に3頭を置き、併せるかに見えた最終追い切りも結局は単走で“馬なり”。気分を害することなく終えていた。レース当日も11戦連続で装着したブリンカーを外し、8戦連続のシャドーロールまで外していた。すべてはゲートを無事通過するため。賭けに成功し、実戦を叩いた効果も期待できる。もう一つの起爆剤も用意。かっての主戦騎手・内田博騎手への乗り替わりだ。

 連続で2~3走もコンビを組むと、乗り手をなめる傾向にあるのがゴールドシップの気性。逆に乗り手が替わると集中力を増す。それは乗り替わりで〔4121〕の好成績を残していることでも分かる。ラストレースなら仕上げも後先のないもの。強いゴールドシップが帰ってくる。

 人気馬で評価を下げたいのはラブリーデイ。秋4走は陣営が打ち立てた日程だが、さすがに、もう上積みが求められない。今回は押さえの△。馬券の相手は、フレッシュで伸び盛りの馬をセレクトする。まず○はゴールドアクター。父スクリーンヒーロー同様の成長曲線を描き、完全に本格化した。ジャパンCをパスした日程が、また魅力だ。

 ▲はルージュバック。春のオークス以来のぶっつけで出走した女王杯は内容のある4着。やっぱり能力は相当に高い。叩いた効果が見込める2走目は強敵相手でも、ぜひ買ってみたい。

 ★はリアファル。菊花賞で一番強いレースをした馬で、先行力が生きる組み合わせでもある。ここ1本に絞っての中間も活気があって、文句なし。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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