正しく使い分けしてる? 水洗トイレに「大」と「小」があるワケの画像
正しく使い分けしてる? 水洗トイレに「大」と「小」があるワケの画像

 水洗トイレで水を流すとき、「大」と「小」のレバーやスイッチがありますが、みなさんはどう使い分けていますか? あるいは「今日はたくさん出たから大で」なんて量で決めたり、「小便は小、大便は大」あるいは「大は水流が強いから、勢いよく流したいときはこっち」など、それぞれ判断基準があると思いますが、本当のところ、どういった使い分けが正しいのでしょうか?

 まず、大小の違いは、流れる水の量です。水洗トイレができたころは大用の洗浄1回につき約13リットルもの水が使われていましたが、その後、技術が発達し、現在は大だと8リットル、小は6リットルが基準になっているそうです。最新型の節水型トイレだと、大で約5リットル、小なら約4リットルというモデルもあるとのことで、いやはや驚きです。

 では、両者の使い分けですが、正しくは「小=男性の小便」「大=男性の大便&女性の大小便」となります。というのも、男性の小便は水分だけで固形物は含まれません。要は、便器に溜まった水を流せば小便も一緒に流れますから、それほど水量は多くなくていいのです。

 一方、男性の大便や女性の大小便の場合、便とトイレットペーパーが便器にたまりますから、これらを家の前の下水管まで流し切るには、それなりの水量が必要だということです。反対に水量が不十分だと、配水管のなかで汚物が流れ切らず、配水管詰まりを起こしてしまいます。ですから、特に大便をした場合は、必ず大を選んだほうがいいというわけです。仮に小を選ぶと、便器から見えなくなっても、配管内に残ってしまう可能性があります。これが積み重なると、配水管詰まり待ったなしです。

 つまり、液体(小便)を流すだけなら小、物体を流すなら水量がある大、というのが基本的な使い分け。大を多用しないで小を適切に選ぶことで、節水も可能になります。

 なお、節水テクとしてトイレタンク内にペットボトルを入れる人がいますが、これだと大を使っても十分な水量が確保できないことから、配水管詰まりのリスクが高くなります。レバーの動きを阻害したり、異物混入でタンクが破損する危険性がありますから、お勧めできません。壊れて修理費がかかっては本末転倒です。正しく使い、正しく水量を選ぶことで、快適なトイレ環境が生まれるのです。

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