実は冬にもある!! ウナギ以外を食べてもいい!? 意外と知らない「土用の日」の画像
実は冬にもある!! ウナギ以外を食べてもいい!? 意外と知らない「土用の日」の画像

 日本人にとってウナギを食べる日として有名なのが「土用の丑の日」です。でも、「土用ってナニ?」と思っていた人も多いと思います。「土用」というのは立春・立夏・立秋・立冬の前の約18日間のことで、春夏秋冬それぞれに訪れるもの。春から夏へ、夏から秋へ……本格的に季節が代わるまでの、調整期間のようなものだと思っていただければいいかもしれません。

 さてこの「土用」。季節の変わり目にあたるということで、昔から精のつくものを食べる習わしがありました。「土用餅」「土用しじみ」「土用卵」といった言葉が生まれたのも、この習わしから。「土用餅」はあんこをまぶしたお餅でのことで、これを食べると無病息災で過ごすことができるとされ、江戸中期頃から土用の入りの日にあんころ餅を食べる文化が広がったといわれています。関西や北陸ではいまでもこの風習が残っていて、家族でまったりしながらいただくのだとか。「土用しじみ」は、「腹の薬」とも呼ばれ、しじみの旬(冬と夏の2回)に合わせて土用にいただくことで、身体を健康的に保つことができるといわれています。しじみは、肝臓機能の修復や、貧血予防、免疫力を高める働きをもつことが科学的に証明されており、体調を崩しやすい季節の変わりめにもってこいの食品なのです。「土用卵」は土用の時期に産み落とされた卵のことで、鶏が卵(有精卵)を産む時期が土用と重なっていたことから、滋養のある食べ物として人気を集めています。有精卵は手に入りにくい食材ですが、その味は無精卵とは比較にならないほど美味! 養鶏所によってはネット通販を行っている店もあるので、ぜひ探してみてください。

 また、土用には「う」のつくものを食べると健康的に過ごせるという風習もあります。梅干し、うどん、ウナギ、ウニ、ウリ……こうして活字で見るだけでも、元気が出そうな食材ばかり。夏だけでなく、春夏秋冬年4回訪れる「土用」は、滋養のあるものを食べ、身体をいたわってみましょう。ちなみに2016年の土用は、1月18日~2月3日(冬土用)、4月16日~5月4日(春土用)、7月19日~8月6日(夏土用)、10月20日~11月6日(秋土用)ですよ!

わぐりめぐみ
東京生まれ。作家・編集ライター・シナリオライター。るるぶ等旅行雑誌から職歴をスタート。ティーン、ストリート、サブカル、ライフスタイル誌等で幅広く活躍。著書に『そして、ありがとう… 犬と私の12の涙』(日本文芸社)、『B型妻VSA型夫 毎日がグチLove』(笠倉出版社)、共著に『ミニチュアダックスフントの洋服屋さん』(実業乃日本社)等がある。

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