ＳＦ映画やドラマの中で、念力によって物を浮かせたりしているシーンを、一度は見たことがあるだろう。いわゆる“超能力”“超魔術”と言われるものだが、アメリカにもこの能力を習得した人物がいた。
その人物は、アルバムが全米１位に輝くほどの人気を誇る歌手、アル・ヤンコビック氏（５６）。超能力などあるように見えない風貌の彼だが、動画が始まるや一変する。見た目の胡散臭さから、何か仕掛けてきそうな予感はプンプンするが、「見ろ！」とでも言いたげな顔で両手で鉄の球を持ち、「Ｆｌｏａｔｉｎｇ！ Ｏｒｂ！（球が浮いているぞ！）」と叫んで手を離すと、あら不思議。何の支えが無くても、鉄球が空中で浮いているのだ。成功して高らかに笑う彼だが、やはりそこには仕掛けがあるようで、その種明かしに「なんだ～！騙された～」と、つい言ってしまいそうになる。その後、鼻歌歌いながら、何食わぬ顔で料理をしだす彼を見ていると、馬鹿馬鹿しくなるが、つい笑顔になってしまう。
実はヤンコビック氏は、“パロディ界の王者”と称されるほどの、コメディビデオのプロでもある。８０年代にはマイケル・ジャクソンの『ＢＡＤ』をパロディにして『ＦＡＴ』というナンセンスな、しかしユーモア溢れる動画を披露し、原曲に負けず劣らずな大ヒットを記録。日本でも『オレたちひょうきん族』（フジテレビ系）に出演するなど、話題になった。そして５６歳の今でも、そのセンスは衰えていない。その昔から変わらぬ笑いのセンスに脱帽する。
★「Ｔｈｅ Ｍｙｓｔｅｒｉｏｕｓ Ｆｌｏａｔｉｎｇ Ｏｒｂ」
https://youtu.be/Ib2Vl7JEjfc
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