AJCCは別定GⅡらしく、格がものを言うレース。前走クラス別成績で見ても過去10年、前走準オープン組は〔1・0・2・17〕、前走オープン特別組は〔0・1・2・21〕で、複勝回収率はそれぞれ51%と34%しかない。

 一方で前走重賞組の複勝回収率は96%あり、勝率、複勝率で見てもオープン特別以下から来た馬を引き離している。しかも、勝率はGⅠ組>GⅡ組>GⅢ組となっていて、格が重要なレースであることを示唆している。

 今回の想定馬では、菊花賞以来となる◎サトノラーゼンと、一昨年の安田記念となる▲ショウナンマイティが前走GⅠ組ということになるが、さすがに1年半ぶりの馬を本命にするわけにもいかず、ここはサトノラーゼンから入らざるをえない。サトノラーゼンが日経新春杯ではなく、こちらから始動なのは同一馬主の使い分けによるものではないかと思う。京都コースでは重賞勝ちがある一方で、中山は今回とまったく同コースのセントライト記念で人気を裏切っている。その点を不安視する方もいるのではないだろうか。

 ただ、セントライト記念の敗戦はコースをハンドリングできなかったというよりは、完全に展開によるもの。キタサンブラックとミュゼエイリアンによる行った行ったの競馬を道中10番手から追走したのでは、届きようがない。菊花賞では5着だったが、こちらはさすがに距離が長かった面がある。それでも掲示板をキープするあたりは、地力のあらわれだろう。

 ○にはディサイファを取る。金鯱賞に出走したため今回は前走GⅡ組ということになるが、GⅠ出走経験も豊富な馬だ。2000メートルを超す距離には良績のないこの馬だが、そもそもオープンに入ってから出走したケースが一昨年のジャパンカップだけ。ベストは1800~2000メートルなのだろうが、中山芝2200メートルなら、立ち回りで十分克服できる。典型的なGⅡタイプでもあり、先々のGⅠに色気を出さないぶん、こういう中途半端な時期のGⅡにも一定以上のデキで出てくることが期待できる。

 ▲ショウナンマイティは今回正直試運転という面もあるだろうが、先述したようにこのレースはとにかく格が大事。オープン特別組が人気になるようなら、この馬の一発に賭ける手もある。ただもちろん直前の調教はチェックしておきたい。

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