今週は京都で3歳重賞のきさらぎ賞が行われる。昨年はルージュバックが51年ぶりの牝馬優勝を飾り話題になったが、今年はサトノダイヤモンドVSロイカバードの“5億円対決”の再戦がレースを盛り上げる。

 13年の当歳セレクトセールの高額馬(税込みで前者が2億4150万円、後者が2億5200万円)は昨秋、京都の新馬戦で初対決した。ルメール騎乗のサトノダイヤモンドが4角3番手から抜け出し、武豊騎乗のロイカバードは2馬身半遅れの2着だった。この差が詰まるのか、あるいは逆転まであるのかが焦点になるが、今回もサトノ優位の見立てだ。

 デビュー勝ちのあと、暮れの阪神で2勝目を飾ったが、ルメールの評価はさらに上がる。「2戦目でもテンションが上がっていなかったし、とにかくエンジンがすごい」とベタ褒めだった。それもそのはず、レースの上がり2Fは11秒5-11秒3の加速ラップ。それを4角6番手から楽に差し切っていたからだ。大きなストライドで力感がある走りは、クラシックに向け、さらに研ぎ澄まされる予感もある。京都外回り1800メートルの舞台もぴったりだ。

 ロイカバードも力をつけている。デビュー戦のあと、未勝利→特別を難なく2連勝した。ただしコンビを組む武豊が「まだ器用さが足りない」と課題を上げたように、現状は直線にかける追い込み型。馬群の外を回るロスがある。どの位置でも折り合えるサトノとの決定的な差だ。それでも2着の座は譲らないとみるが。

 同じ日曜日、東京競馬場では東京新聞杯が行われる。実力が接近し、馬券が面白い組み合わせだが、狙いは目下3連勝の上がり馬、ダッシングブレイズだ。3歳の春の時点で2勝2着2回。全7戦で掲示板を外したのはわずか1回と陣営も能力を高く評価していたが、素質が開花したのが4か月半の休養を取った昨秋からだ。いきなり1000万特別を中団から差し切ると、準オープン、オープン特別も同じ戦法で制した。この3戦の上がり3Fは順に33秒4、33秒2、33秒1。相手が強くなればなるほど末脚に鋭さを加えている。

 春の時点で陣営から聞かれた弱点は「トモが甘く、トップスピードに乗るのに時間がかかる」だったが、秋からの3戦は「馬体に幅が出てパワーアップした」と別馬の評価だ。距離もすべてマイル戦で2走前は今回と同舞台の東京マイル戦だった。昨年の勝ち馬ヴァンセンヌはV3の勢いをここにぶつけたが、ダッシングブレイズもこれに続く。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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